業界で活躍する著名人の人生観やアドバイスを聴ける貴重な体験

 工学部では、1年次のカリキュラム「自主創造の基礎1」の一環として、各界の第一線で活躍している著名人を講師としてお招きし、その人生観や世界観などに触れる教養講座を昭和48年度から毎年開催しており、今年度で45回目の実施となります。今年は、「転換期を生きる」を総合テーマに、以下の4つの講座を実施しました。

俳優 山下真司氏 
 「私と芸能界との歴史~俳優人生40年の軌跡」

和歌山大学教育学部教授 江利川春雄氏
 「アニメ映画の日米比較で異文化を理解する」

NHKエンタープライズ制作本部国際番組EP 松平保久氏
「戊辰150年 会津のこころ」

武蔵野学院大学・大学院教授 澤口俊之氏 
「夢かなえる脳」

 この中から、5月18日(木)に行われた山下真司氏の講演の様子をお伝えします。

社会に喜ばれる、人を幸せにする仕事をしてほしい

 山下真司氏は19歳で単身上京し、アルバイトやサラリーマン、ウエイターやモデルの仕事を経験したのち、夢だった俳優になるまでの道のりを、恋の話を織り交ぜながらユーモアたっぷりに語られました。25歳で文学座に入ると、当時新人スターの登竜門にもなっていた人気テレビドラマシリーズ『太陽にほえろ』の刑事・スニーカー(五代潤)役に抜擢。超スパルタだったというドラマの現場で、一人前の役者になるために何が大事かを学んだと言います。そして、「芸能界でも社会でも最も大事なのは挨拶と遅刻をしないこと」だと強調されました。

 前半の自己紹介が終わると、後半はフリーアナウンサーの武田真紀氏がインタビュアーとして登壇し、山下氏の出演したドラマの秘話や芸能界の裏話などを聞き出しました。代表作となった『スクールウォーズ』のビデオを見ながら、山下氏は当時の極寒の過酷なロケの話を熱く語るとともに、学生たちに対して、「社会はきついことの方が多いんだぞ」と諭されました。そして、役者よりも音声・映像・編集等のスタッフの方が大変であり、皆一丸となってドラマを作っているのだと言及されました。また、コミュニケーションで悩んでいる学生が多いという話題になると、「友達が少ない」と手を挙げた学生を壇上に呼び、どうしたら友達ができるかをアドバイスされました。
 さらに学生たちに、フランスの哲学者アランの名言『人は幸福だから笑うのではない。笑うから幸福なのだ』を伝授。実際に大きな声で笑ってみようと呼び掛け、マイク片手に会場内を巡りました。マイクを向けられ少し照れながらも、山下氏の笑い声を真似して「ワッハッハッ!」と叫ぶ学生たち。その必死の声に会場も笑いの渦に包まれました。

  初めはジェネレーションギャップを感じると話していましたが、「講演を聴いてよかったと思うか?」という問いに大勢の学生が挙手したのを見て、安堵した山下氏。そして、「日本、そして地球のために頑張れよ!君たちの技術に掛っているからな。“機械“じゃなくて、“心”をつくれ。人を幸せにする仕事をしてくれ。社会に喜ばれて尊敬される人になってほしい」とメッセージを送りました。
 最後に山下氏への質問コーナーがありましたが、「どうしたら異性の友達ができますか?」という学生の質問に、山下氏も「先生、こんなんでいいんですか?」と困惑ぎみ。しかし、先生は「率直な質問ができる環境であることがいいんです」と回答。これには会場からも拍手が沸き起こりました。こうして山下氏の人情味溢れる講座は大いに盛り上がり、大変楽しい時間となりました。感謝の気持ちを込めた拍手喝采の中、山下氏は会場を後にされました。

 第1回目から大変貴重な体験となった教養講座。学生たちに感想を聞いてみました。

世の中は甘くないということがわかり、大変ためになりました。
想像していたより面白くて、とても素敵な方でした。
大きな声で笑うのを実践してみようと思います。
テレビで見るより迫力がありました。
スターもつらい人生を歩んできたんだと知りました。
有名な方の話を直接聴くことができてよかったです。
雑誌で見るだけでは読み取れない生の話が伝わってきて新鮮さを感じました。
コミュニケ―ション力が大事だと思いました。
ON/OFFのスイッチの切り替えが必要だと思いました。

 1年生の皆さん、これからも自ら学び、自ら考え、自ら行動する、“自主創造”の精神を養い、有意義な大学生活になるように頑張ってください。

 ご講演いただきました講師の皆さまには、この場をお借りしまして深く感謝申し上げます。ありがとうございました。