工学部では、機械工学科と電気電子工学科の学生を対象として「臨床工学技士」の受験資格が得られる臨床工学技士課程を設置しています。本学は厚生労働大臣指定科目を修めて卒業できる大学として厚生労働省から認可を受けており、臨床工学技士課程の修了予定者は卒業年の3 月に国家試験を受験することができ、合格者は臨床工学技士の国家資格を得ることができます。
① 臨床工学技士について
近年、医療界では医療技術の進歩に伴い医療機器の高度化、複雑化が進み、医学と工学の知識を持つ新しい医療技術者が求められるようになりました。そこで1987 年に臨床工学技士法が制定され、医療機器の専門医療職として臨床工学技士が誕生しました。臨床工学技士は、厚生労働大臣の免許を受けて、医師の指示の下に、生命維持管理装置の操作及び保守点検を行うことを業とする医療機器の専門技術者です。具体的には医療施設において医師、看護師などの医療関係者との緊密な連携を図り、下記のような業務を行います。
(1)呼吸療法業務(人工呼吸器など)
(2)人工心肺業務(人工心肺装置及び周辺装置など)
(3)血液浄化業務(血液透析、血漿交換装置など)
(4)高気圧治療業務(高気圧装置)
(5)手術室、ICU 業務(麻酔器、内視鏡下手術装置、各種モニター装置など)
(6)心臓カテーテル検査室業務(ポリグラフ、補助循環装置など)
(7)体外衝撃波結石破砕業務(体外衝撃波結石破砕装置)
(8)医療機器管理業務(生命維持管理装置、一般医療機器等の保守管理業務、安全管理業務など)
② 臨床工学技士の主な就業先
(1)医療施設(病院、クリニックなど)
(2)医療機器メーカー(営業、機器開発、メンテナンス)、医療機器販売業
(3)医療機器を製造する企業
③ 臨床工学技士課程の受講方法
機械工学科と電気電子工学科の学生を対象に開講しており、2年次生からのみ履修可能です。科目は課程に必要な専門教育科目に加えて、医療系と臨床工学系の臨床工学技士課程科目29 科目53 単位を修得します。また、3 年次の学年末に病院において5週間の臨床実習を行い、科目(臨床実習)を修得することが必要です。
受講希望者には、1年次の後学期に臨床工学技士課程ガイダンスを実施し、履修・受講条件等の説明を行いますので、ポータルサイトの掲示を確認するようにしてください。
【科目一覧】
●人体の構造及び機能I・II ●医学概論 ●病理学 ●生化学●臨床薬理学●臨床免疫学●看護学概論●臨床工学関係法規●医用情報工学●生体物性工学●医用材料学●医用工学概論●医用工学総論●臨床工学総論●医用機器学I・II ●医用機器学実習 ●生体計測装置学●生体計測装置学実習●生体機能代行装置学I・II・III ●医用安全管理学●臨床医学総論I・II・Ⅲ ●臨床実習●臨床実習事前・事後指導