建築学科研究室紹介

建築計画

建築計画研究室

教授:浦部 智義

人間の心理・行動と建築・都市空間やデザインとの関係性を紐解く

kenchikukeikaku様々な建築・都市空間における人の心理・行動と建築・都市空間構成要素との関係性を分析することで、建築空間の計画・設計に役立つ成果を目指しています。その中には、時代を経ても比較的普遍的なものから、ライフスタイルや価値観が変化に伴って、人が空間から受ける印象や空間における人の行動のあり方も時代によって変化する内容もあると考えテーマは柔軟に設定しています。

【主な研究テーマ】
●文化・教育など施設・空間計画に関する研究と実践
●建築的な地域資源の役割・活用に関する研究と実践
●震災後の復興・住まい・まちづくりに関する研究と実践

【メッセージ】
現在・未来に役立つ様な成果を、研究また建築として社会に還元することを意識しています。

 

都市計画研究室

教授:廣田 篤彦

「建築は雑学」でもあり、社会や地域の問題に対応するために、幅広い視野で物事を捉えることが必要です。例えば、「今、世の中で何が問題となっているのか」「この地域で何が求められているのか」などを理解し、都市・建築分野の観点からどのような解決方法を提案できるのかということを、常日頃から考えることが肝要です。そのためには、少なくとも自分に関わりのある街に関心や愛着を持つこと、そして問題意識を持つことが、より良い環境づくりの実現へ繋がっていくものと思われます。
本研究室では、これら諸問題と「都市・建築学」との関わりを考えていくとともに、良好な都市環境の創出と街並み形成に資する具体的規制・誘導手法、及びそれを構成する個々の建築デザインについての検討を行っていきます。

【主な研究テーマ】
●災害時におけるコンビニエンスストアの運用に関する研究
●災害時の避難行動に関する研究
●福島県のイメージと風評被害に関する研究
●空き家の実態と対応状況に関する研究
●都市の嗜好性と観光資源に関する研究
●歩行者及び自転車通行の実態と課題に関する研究
●道の駅の運営実態と課題に関する研究

 

医療・福祉建築デザイン研究室

准教授:山田 義文

すべてのひとにやさしい医療・福祉建築のデザインを探求する

kenchiku_jyukankyokeikaku医療・福祉建築は、私たちの健康維持をサポートし、個性豊かな生活を継続するために、かけがえのない建築です。多様な人々が利用する際に不便さや困りごとが生じないデザインが求められます。当研究室では、医療施設のほか、高齢者や障がい者の住まいや施設などを訪れて、利用者や支援に携わる専門職の方々へのヒアリングや観察、アンケート、実測、図面による建築特性の分析などを通じて人と環境との間に潜在するバリアを客観的に分析します。北欧の医療・福祉建築など国内外の先進的なシステムの特徴にも着目し、国際比較も行います。こうした各プロセスを基盤として、これからのニーズに順応し、利用者にも支援者にもやさしい医療・福祉建築のデザインを建築学と社会福祉学の双方の知見から提案する研究を実践しています。

【主な研究テーマ】
●医療的ケアを必要とする重度肢体不自由者の居住環境整備に関する研究
●ユニバーサルデザインやまちづくりの視点に基づく医療・福祉住環境の改善プロセスに関する研究
●高齢者・障がい者の心身特性に基づく医療・福祉建築物におけるインクルーシブデザインの有効性と課題に関する研究
●高齢者生活支援ハウスを拠点とした豪雪中山間地域における高齢者の地域居住継続に関する研究
●復興公営住宅における地域包括支援及び地域産業との連携に関する研究
●ノルウェーのLife time care homeにおける建築特性と国際比較に関する研究

【主な設備】
電動車いす、介護用電動アシスト車いす、移乗用ボード付き横乗り車いす、白杖

 

住環境計画研究室

専任講師:市岡 綾子

居心地のよい空間・環境を考え、次世代に何を遺すべきかを探る

建築をデザイン計画するために役立つ重要な情報は、実際のフィールドにあります。まずは、興味を持った様々なフィールドに出て、人々を取り巻く空間や環境と生活行動の関わりを、自分たちの目で確かめることから研究を始めています。フィールド調査から得られた情報を元に、居心地のよい空間・環境づくりに関する調査研究活動を行っています。
さらに、地域に住み続けるために、次世代に継承すべき地域の大切な資源をいかに遺していくのか、震災を経験した福島から発信すべきことを常に意識した研究活動を心がけています。

【主な研究テーマ】
●景観まちづくりに関する研究
●生活環境における居場所形成に関する研究
●福島県における復興まちづくりに関する研究
●遊休不動産の利活用に関する研究
●子どもの環境行動に関する研究

 

建築・地域計画研究室

専任講師:宮﨑 渉

 

【主な研究テーマ】
●温泉街のまちづくりに関する研究
●木質空間の印象評価に関する研究
●沿岸地域計画に関する研究


建築環境・設備

環境工学研究室

教授:濱田 幸雄

建築と音環境を幅広く探求

kenchiku_kankyokogaku都市・建築物の設計手法・工法に反映できる技術の開発を目指し、多角的な研究を行っています。無響室を用いた実験では、日常生活における様々な音を立体的に再生し、高齢化社会に対応した居住空間の音環境を研究しています。さらに、模型実験やフィールド測定を通して、物理的計測手法、予測手法の開発、評価方法の検討に取り組み、産・官・学連携の研究も行っています。

【主な研究テーマ】
●床衝撃音の評価方法に関する研究
●高性能遮音構造の開発研究
●集合住宅の遮音性能評価水準の作成に関する研究
●レーザードップラー振動計の音響計測への応用研究
●風力発電システム発生音の伝搬シミュレーションモデルの構築

 

建築設備・防災研究室

教授:森山 修治

文化財建築等を対象とした火災安全性研究

災害に弱いといわれる文化財の防災減災対策の研究について話します。

【主な研究テーマ】
●病院や住宅の省エネルギーと災害時の生活継続計画の研究
●古民家や歴史的建造物の防災と保護に関する研究
●古民家の居住快適性に関する研究
●浜通り地方の津波避難計画に関する研究
●重要伝統的建造物群保存地区における火災安全性の研究


建築歴史・意匠

建築歴史意匠研究室

教授:速水 清孝   助教:髙橋 岳志

私たちが生きる都市や建築の現在は、どのように形づくられたのかを探る

kenchiku_kenchikurekishiisyo私たちの身近にある環境は、都市を彩るような建築よりはむしろ、住宅はじめありふれた事物の集積で成り立っています。建築という行為の周辺だけを見ても、ごく少数の建築家だけでなく、それを造り、また護る、無数の無名の人がいる。日本の近代を中心に、華やかな先端だけでなく、そうした忘れられがちな周辺にまで広く目を配ることを通して、目からうろこが落ちるような、物事の見方の変わる発見に努めています。

【主な研究テーマ】
●日本の近代を中心とする建築の歴史に関する研究
●近代を中心とする都市の歴史に関する研究
●建築技術の歴史に関する研究
●建築士法を中心とする建築技術者の法制度史に関する研究
●歴史的建造物の保存に関する研究

 

建築史研究室

専任講師:山岸 吉弘

歴史的な発想で建築と都市を考える

kenchiku_kenchikurekishiisyo建築とは何か、都市とは何か、と自問したときに、いろいろな答え方があることに気が付きます。それだけ建築や都市は、多様で複雑な事象であることが分かります。学び理解し習得すべき対象が、つかみどころのない曖昧なものであっては、目指すべき先への道程は険しく困難です。幸い現代を生きる私たちは数千年以上の人類の叡智を参照することができます。その中には、先の難問に答えるために役立つことがきっとあるはずです。歴史的な発想で建築と都市を考えるために、日々の活動を行っています。

【主な研究テーマ】
●東北地方を中心とする伝統的建造物の歴史と特徴
●民家の再生と活用を目指す理論構築および計画提案
●職人を主体とする生産史と技術史
●集落構造の類型化と分析


建築材料・施工

鉄筋コンクリート(RC)構造・材料研究室

教授:サンジェイ パリーク

RC構造を中心とした持続可能でスマートな建築材料の研究・開発

kenchiku_RCkozo.zairyo阪神淡路大震災や東日本大震災の建物被害に学び、私たちはこれまでRC構造物の強度や耐久性を追究してきました。近年ではさらに持続可能でスマートな建築材料の開発が求められています。発生したひび割れを自分で治す自己治癒・修復コンクリートをはじめとし、快適な室温の維持に役立つPCMコンクリート、CO2を吸収する二酸化炭素固定化コンクリート、変形しても元の形状に戻る超弾性合金を用いたRC構造、非常時の電力供給源となるコンクリート電池、セメントを使わないジオポリマーコンクリート等、様々な観点から環境に配慮した建築材料について研究をしています。

【主な研究テーマ】
●自己修復機能型(インテリジェント)コンクリートの研究開発
●ジオポリマー(セメント未使用)コンクリートに関する研究開発
●建築用内・外装材料の防耐火性能の評価に関する研究開発
●超高強度コンクリートの研究開発
●高密度コンクリートの遮蔽性能に関する研究開発
●長・短繊維によるコンクリート構造部材の補強工法の研究開発
●インドのCO2削減を目的に未利用資源を有効利用した無焼成レンガに関する研究開発
●インドの歴史的構造物及びインド住宅に関する調査研究

【メッセージ】
私たちはこれらの持続可能でスマートな建築材料について、大きな構造部材や単独材料の強度及び耐久性試験等のマクロな視点から、顕微鏡による組織構造の観察や化学分析のようなミクロな視点まで、様々な物理的・化学的手法で研究・開発に取り組んでいます。

研究室ホームページ

建築材料学研究室

准教授:齋藤 俊克

各種材料の持つ隠れた性能を見直し、それを有効利用した建築材料とシステムの開発を目指して

kenchiku_kenchikuzairyogaku建築工学と材料工学の視野に立った建築材料の研究を進めています。環境調和型をキーワードに、天然素材を利用した建築材料とシステム、新しい建築材料やそれを用いたシステムの開発に取り組んでいます。また、コンクリートの劣化状況を診断して原因を探り、どういう材料・工法で補修すれば良いかを明確にするシステムの開発を目指しています。

【主な研究テーマ】
●ポーラスコンクリートの静弾性係数推定法の確立
●ポーラスコンクリートの強度及び耐久性の改善
●RC構造物用表面被覆材または断面修復材としてのポリマーセメントモルタルの性能評価
●自然環境下におけるコンクリート系材料の耐久性評価
●各種プレキャストコンクリート製品の製造法がその性能に及ぼす影響
●高耐久性塗料の性能評価

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建築構造

鋼構造デザイン研究室

教授:浅里 和茂

より安全で耐久性のある建物を目指して

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鋼構造は、柱やはりに鉄骨を使用し、一般住宅や超高層ビルまで幅広く見られる建築構造です。現在は高さ300mを超えるビルも現れる一方で、日本最初の超高層ビルは完成から50年を超えました。東北地方太平洋沖地震からの復興が進む今、全国で地震のリスクはさらに高まっています。そのため、新築建物はもちろんのこと、高齢化したビルに対する耐震アンチエイジング技術も差し迫った重要な課題です。私たちの研究室では巨大な建物から小さな接合部までを対象にして、モデル実験とコンピュータシミュレーションを同時進行で行い、耐震性能向上のための研究を続けています。

 

【主な研究テーマ】
●鋼構造接合部の構造性能向上に関する研究
●木鋼ハイブリッド構造に関する研究
●既存鉄骨造建築物の耐震改修手法に関する研究
●福島県内学校施設の耐震診断・耐震改修に関する研究
●福島県内の地盤震動性状に関する研究

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コンピュテーション応用力学研究室

教授:ガン ブンタラ ステンリー

建築分野における様々な数値解析、力学理論、人工知能の応用に関する研究

kenchiku_buntara_lab_l人類の歴史では、様々な形態の建築構造物が創造されてきました。建築構造物は、その用途や周りの環境に応じて、人が安心して快適に過ごすために優れた安全性と機能性を備えていなければなりません。そこで、構造物を建てるためには、その構造物の力学的な挙動を理解することが必要となり、応用力学ならびに計算力学、すなわち、計算応用力学を理解することが望まれています。

【主な研究テーマ】
●自然現象や生物の行動的な考え方を利用した建築構造物の最適化に関する研究
●無重力状態で自己釣合い・自己展開できる建築構造物(テンセグリティー)の研究
●建物の各階にリアルタイムで地震時における震度階級を掲示する電子装置の開発
●人工知能(AI)を用いて建物の特定階における緊急地震速報システム開発に関する研究
●建築分野における傾斜機能材料に関する実験と解析的研究
●平坦な紙から折り紙になる制作方法や、折り紙の形状から平坦な紙に山と谷になる線を算定する研究

【メッセージ】
本研究室では、学生各自研究したいことを尊重し、建築エンジニアリングの分野で構造解析や構造設計や応用構造力学などを学びます。
そのためにゼミナールと卒業研究では、論理的思考とプログラミングを通じて個人スキルを養います。プログラミングの力で社会に貢献できると信じています。

振動システム研究室

教授:千葉 正裕

高性能センサを用いて、様々な構造物や地盤の振動性状を明らかにする

kenchiku_sindosystem2当研究室では、測定のための設置が簡便な微動計12chと大規模構造物等の立体振動性状を把握するための微動計32chを所有しています。簡便な微動計では、主に2つのテーマについて研究を行っています。(1)木造住宅の揺れを測定し、地震時における振動性状や耐震性能について研究しています。(2)郡山市域の地表面の揺れを測定し、郡山市域全体の地盤特性を明らかにする研究を行っています。また、工学部構内に設置した地震動観測装置の記録から、郡山市域における実地震動の実情を明らかにする研究を行っています。その他には、建物の地震時シミュレーション解析を行うなど、建築振動学に関する幅広い研究を進めています。

【主な研究テーマ】
●木造住宅の振動性状に関する研究
●郡山市域の地盤特性に関する研究
●大規模構造物の立体振動性状に関する研究
●建物の振動解析法に関する研究
●工学部構内にある情報研究棟及びその周辺地盤における地震動観測

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空間構造システム研究室

准教授:野内 英治

空間構造の創造をめざす

kenchiku_kukankozosystem自由な形状、大規模、経済的、かつ、安全な建築空間を構成するには、建築の構造学を体系的に修得し、自由な発想で創造しなければなりません。また、それらを検証するために、理論的に裏打ちされた数値解析あるいは実験が必要不可欠です。当研究室では、建築の構造学について基礎学力を養い、理論と解析手法について学びます。現在、主要な研究テーマとして、空間構造物の極限状態における簡便な線材要素の開発と、歩行者の動線シミュレーションによる最適な空間構成に関する基礎的研究を行っています。

【主な研究テーマ】
●空間構造に関する実験・研究
●個別要素法を利用した歩行者の動線シミュレーションに関する研究
●構造物の崩壊解析に関する研究
●各種プログラミング言語を用いた構造解析ソフトウェアの開発
●耐震設計法に関する調査・研究
●木質構造に関する研究

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構造解析研究室

専任講師:日比野 巧

地震に強い建物をめざして

建物の形や大きさは地震時の挙動に大きな影響を与えます。コンピューターを使った数値解析、模型や建物の実挙動から、建物の耐震性能を定量的に評価するとともに、より安全で合理的な建物の設計法の構築をめざしています。

【主な研究テーマ】
●耐震補強効果の評価手法に関する研究
●既存建物の立体振動性状に関する研究
●建物の減衰評価に関する研究
●建物の構造解析モデルに関する研究
●郡山市域の地盤及び建物の振動性状に関する研究

研究室ホームページ

 

鉄筋コンクリート構造デザイン研究室

専任講師:堀川 真之

鉄筋コンクリート造建物がもつ「新の性能」とは?

鉄筋とコンクリートにより建設された建築物は、小・中学校やタワーマンションをはじめ、多くの人間が集まる建物として幅広く活用されています。たび重なる大地震を経験した日本は、耐震技術に磨きをかけ、地震に打ち克つ建築をつくりあげてきました。そして、耐震改修も広く普及した今、建物の長寿命化が進んでいます。百歳を超える鉄筋コンクリート造建物の一生を予測することを目標に、ユーザーに寄り添いながら、実験と高度な数値解析を駆使して、「構造」の枠を越えた「新の性能」に迫ります。

【主な研究テーマ】
・鉄筋コンクリート造建物を対象とした地震応答解析技術の研究開発
・座屈と破断によって支配される強軟化を示す梁/柱の性能確認実験
・極大地震によって損傷した建物に対する復旧時間予測手法の構築
・国内の地震災害調査に基づく新耐震設計法の課題探索