生命応用化学科

平成29年度化学系学協会東北大会で大学院生3名が優秀ポスター賞を受賞しました

9月16日,17日に開催された平成29年度化学系学協会東北大会 物理化学分野で,生命応用化学専攻博士後期課程1年 吉田尚恵さん,同博士前期課程2年 榎木正美さん,橋本正明さんが優秀ポスター賞を受賞しました。
公益社団法人 日本化学会東北支部
優秀ポスター賞受賞者一覧

3名の発表タイトル及び発表内容については下記のとおりです。

◇博士後期課程1年 吉田尚恵さん
発表タイトル 「抗体結合性RNAアプタマーの構造とダイナミクス」

発表内容
RNAは,DNA配列のコピーであり,このRNAの配列をもとに生体内ではタンパク質の合成が行われています。
私たちの研究グループでは,このRNAという分子をを本来の目的とは異なり,人工的に医薬品や診断薬に利用することを目指しています。
しかしRNAの立体構造は,まだ分からないことが多いのが現状です。本発表は,RNAという分子がどのような3次元の立体構造をつくるのか?塩基配列の違いや化学修飾は,RNAの立体構造にどのように影響を与えるのか?など,RNAの立体構造とそのダイナミクスを,最新のコンピュータシミュレーションによって解析を進めました。その結果,医薬品となる可能性のあるRNA分子とそうでないRNA分子には,そのダイナミクスに違いがあることをつきとめました。
本研究は千葉工業大学,長崎大学,(株)リボミックとの共同研究です。

 

◇博士前期課程2年 榎木正美
発表タイトル 「ローダミンB会合体の励起緩和過程」

発表内容
我々の身の回りのものが様々な色で彩られているのは色素分子のおかげです。また液晶テレビをはじめ,多くの工業製品では色素が活躍しています。状況に合わせた色を発色させ,機能を持たせるためには色素分子の構造・状態を詳細に知る必要があります。今回の研究ではローダミンBと呼ばれる基本的な色素分子の発光効率を制御する機構について調べました。自作の分光装置を活用した新しい計測方法を考案することでこれまで測られていなかった光らない(といわれていた)色素会合状態の微弱発光の計測に成功しました。
本研究は和光純薬工業との共同研究です。

榎木さんの受賞インタビュー記事はこちら

◇博士前期課程2年 橋本正明
発表タイトル 「フッ素置換ジフェニルヘキサトリエン結晶におけるシングレットフィッション速度の温度依存性」

発表内容
光はエネルギーを持った粒子(光子)と考えることができます。そのため,太陽電池では一つの光子から一つの電子が作られることになります。もし一つの光子を二つに分割できれば,電子も二つできるので,より高い効率の太陽電池を作ることができる,と言われています。このような夢の材料として,シングレットフィッション材料が注目されています。今回の研究ではこの過程の温度変化を詳細に測定することで,反応性が結晶中の分子の並び方に大きく依存するという事実を見出しました。これにより新しい材料探索の指針が得られたと思っています。
本研究は産業技術総合研究所との共同研究です。

橋本さんの受賞インタビュー記事はこちら