機械工学科/電気電子工学科 臨床工学技士課程

日本大学工学部
臨床工学
技士課程

日本大学工学部
臨床工学技士課程

2022年(令和4年)4月入学者を最後に終了します
2022年(令和4年)4月入学者を
最後に終了します

※本学部では、2014年度(平成26年度)から、臨床工学技士の国家資格を持つ工学技術者の養成を行って参りましたが、2022年(令和4年)4月入学者を最後に、臨床工学技士課程を終了いたします。

臨床工学技士課程の主な履修条件は以下のとおりです。

  1. 機械工学科、電気電子工学科に在籍し、臨床工学技士の資格取得を強く希望する令和4年4月までの入学者。
  2. 臨床工学技士課程科目の履修は、2年次から履修する場合のみ許可します。
  3. 臨床工学技士課程を履修するには、次の条件を満たしていることが必要です。

    ※1年次終了時の修得単位数が40単位以上であること。
    なお、履修許可者数には制限があり、機械工学科及び電気電子工学科合わせて50名程度とします。希望者数が50名を超える場合は、1年次終了時の成績に基づき選抜します。

臨床工学技士(国家資格)とは?

医療現場で、生命維持管理装置を扱うスペシャリスト

「臨床工学技士」とは、人工心肺装置や人工透析装置、人工呼吸器、心臓ペースメーカーといった生命維持管理装置の操作及び保守点検などを行う医療機器のスペシャリストです。 生命維持管理装置は、以前は医師や看護師が扱っていましたが、国家資格として1987年に臨床工学技士資格が制定され、翌年に施行されたことを受け、医師の指示の下に臨床工学技士が操作できるようになりました。また、こうした装置の保守・点検については、医師の指示なく独自に行うことが可能です。

“医師のパートナー”、チーム医療の一員として活躍

医療現場には、レントゲン、CT、MRIなどを扱う診療放射線技師、血液検査や心電図・脳波などの検査を行う臨床検査技師、リハビリテーションを行う理学療法士・作業療法士が働いていますが、人の呼吸、循環、代謝といった生命の維持に直接つながる機能を代行・補助する生命維持管理装置を扱う臨床工学技士は、医師や看護師などとともにチーム医療に携わっています。人命そのものに関わることから、臨床工学技士には医学的知識はもちろん、工学的な知識、技術、経験が必要とされています。また、医師の指示に従って医療機器を操作するとともに、その結果を医師に報告するなど、その使命は重要で“医師のパートナー”的な役割を果たしています。

臨床工学技士の主な業務

  • 慢性の腎不全患者に対する透析治療を行う人工透析装置の操作・点検
  • 手術室における、さまざまな手術用機器の事前管理・点検・操作
  • ICU(集中治療室)における、人工呼吸器・心臓ペースメーカー、除細動器などの操作・点検
  • 高気圧酸素療法のための医療機器の操作・点検
  • 病棟・外来で使用する医療機器の管理業務

進む高齢化、新たな産業の一翼を担う医療機器について熟知した臨床工学技士への社会的ニーズが高まる

今後、わが国の高齢化はさらに進み、これに伴い医療の現場で使用される医療機器は、いっそう高度化・複雑化しようとしています。こうした新たな産業のコアになると考えられる医療分野のなかで、医療機器に関する豊富な知識と技術を備えた臨床工学技士に対する社会的ニーズは、ますます高まっています。

日本には現在、約3万人の臨床工学技士の資格取得者が存在しますが、その数はまだ十分であるとは言えません。医療現場にとどまらず、医療機器開発の最前線で活躍するなど、将来の進路は大きく開かれています。


臨床工学技士免許 取得までの流れ

高等学校卒業(大学入学資格者)
日本大学工学部臨床工学技士課程

機械工学科・電気電子工学科(4年間)

学科卒業修得単位
(機械工学科126単位・電気電子工学科125単位)
+
臨床工学技士課程科目(29科目)53単位

  • 2年次からのみ履修可能
  • 3年次の学年末には病院においての臨床実習を行い、科目(臨床実習)を修得することが必要です。
    ※単位数等カリキュラムについては、変更になる場合があります。
臨床工学技士国家試験受験

試験日:3月上旬(予定)/4年次在籍中に受験

合格

合格発表日:3月下旬(予定)

臨床工学技士国家試験合格者数(新卒のみ)

令和4年度 令和3年度 令和2年度
21名 17名 19名
臨床工学技士免許取得
主な進路

各種病院/診療所/医療機器メーカー/専門学校教員 他

主な就職先

医療機関

日本大学病院、日本大学医学部附属板橋病院、福島県立医科大学附属病院、星総合病院、太田綜合病院附属太田西ノ内病院、総合南東北病院、白河厚生病院、日立総合病院、日本医科大学千葉北総病院、秋田大学医学部附属病院、大曲厚生医療センター、岩手県立病院、奥州病院、水戸済生会総合病院、宇都宮記念病院、群馬大学医学部附属病院、国立病院機構埼玉病院、総合病院国保旭中央病院、山形大学医学部附属病院、国際医療福祉大学病院、三郷中央総合病院、埼玉石心会病院、山形済生病院、赤十字病院(石巻、福島、深谷)、信楽園病院

企業

日本光電㈱、富士フイルムテクノプロダクツ㈱、三菱電機メカトロニクスエンジニアリング㈱、東北エプソン㈱、㈱フィリップス・ジャパン、オリンパス㈱、㈱日立パワーソリューションズ、帝人在宅医療㈱、富士ソフト㈱、泉工医科工業㈱、㈱ユアテック、㈱富士テクニカルリサーチ、㈱マンダム、テスコ㈱、㈱栗原医療器械店、朝日インテック㈱、日本電設工業㈱

在学生・合格者インタビュー


入学前から抱いていた興味
入学後に身につけた知識と技術
責任ある仕事への使命感を
医療の現場で発揮したい

工学的知識を医療現場に役立たせることができることを入学前に知り、入学後には臨床工学技士課程を履修したいと思っていました。授業のなかでもとりわけ印象深いのは「医用機器学実習」です。ゴムチューブを血管に見立ててカテーテルの挿入方法を体験することで、穿刺の挿入角度や挿入感覚をつかみ、医療機器への理解を深めることができました。実習を通して、患者さんの命を預かる責任ある仕事だということも実感。卒業後は、病院で人工心肺を取り扱う業務に就きたいと考えています。電気電子工学科と臨床工学技士課程で身につけた工学的知識と医学的知識を活かして、医療現場で活躍することが夢です。

電気電子工学科4年(2021年度取材時) 安中 恵美莉さん
栃木県 宇都宮文星女子高等学校出身



課程での刺激的な学びを
きっかけに大学院へ進学
幅広い知識を研究に
活かし取り組む

臨床工学技士課程では、医療従事者になるために必要な医療機器の知識や生体の組織構成、病気の種類や症状などを学ぶことで医療に関する知識が深まりました。大学院への進学を意識したのは、本課程での学びによって探究心や向上心が強く刺激されたからです。現在は、細胞が血流や体組織伸縮による力をどのように感知し、細胞内ではどのような変化が起こっているかについて研究を行っています。臨床工学技士の資格を取るまでに身につけた知識・経験は、今後も研究を進めていく上で糧になると思います。

博士後期課程3年 機械工学専攻(2021年度取材時) 岡 知輝さん
栃木県 栃木翔南高等学校出身

臨床工学技士課程の特色

社会の要請に応え、優れた臨床工学技士の育成を目指す

4年制大学ならではのカリキュラムで、チーム医療に欠かせないコミュニケーション能力を磨く

臨床工学技士は、医師や看護師らと一緒にチーム医療の一員として活躍するとともに、医師をサポートすることも期待されています。それには、高度な技術とコミュニケーション能力が不可欠です。 日本大学工学部では、4年制大学ならではのカリキュラムにより、工学的な知識・技術はもちろん、幅広い教養も身につけます。その上に、日本大学医学部との連携により、医学的な知識・技術も修得することになるため、これらは医療の現場で、大きな自信と強みになるはずです。この質の高い教育こそが、日本大学工学部で臨床工学技士を目指す最大の特色といえるでしょう。

次世代工学技術研究センターで先端医療機器に触れ、実体験から学ぶ

日本大学工学部には、次世代工学技術研究センターという医療現場の施設・設備に匹敵する環境を備えた研究施設があり、医療工学分野において、日本でもトップレベルの研究成果をあげています。「臨床工学技士課程」では教科書で学ぶだけでなく、最先端の医療機器を実際に操作したり、実験などを通じて命を身近に感じる現場を体験することができます。

日本大学医学部と連携し、工学と医学が融合した教育を展開

日本大学は総合大学であり、医学部も設置されています。「臨床工学技士課程」では医学部の全面的なバックアップにより、専任教員が教育に携わります。工学部と医学部が連携し教育を行うのは、全国的に見ても非常に画期的な試みといえるでしょう。 また、次世代工学技術研究センターには医師が所属しているほか、実習などは日本大学医学部及び福島県内の病院の協力を得て実施されます。より実践的で密度の高い教育を展開します。

工学の専門科目を修めるとともに、国家試験にもチャレンジ

「臨床工学技士課程」は、機械工学科と電気電子工学科に設置されます。エンジニアとして各専門科目を修めつつ、医療について学び臨床工学技士の受験資格を取得し、国家試験を目指すことになります。国家試験に合格すれば、医療機関をはじめ、産業界も注目する資格であることから医療機器の開発などへの道が大きく開かれます。 「医療に役立ちたい」「医療機器を開発したい」といった情熱を持って、工学と医学の融合・連携という新しいジャンルに挑戦する学生に期待しています。

臨床工学技士課程を充実した設備や豊富な研究実績でサポートする「次世代工学技術研究センター」

次世代工学技術研究センターは、2002年、工学部キャンパス内に設置され、工学の研究を活かし、医療の現場に役立つ機器や技術の開発を進めています。医用機器や医療診断機器の開発研究では世界トップレベルの研究実績を誇り、家庭で使えるハンディーな乳がんチェッカーや指先をタッチして血圧を測定するための機器など、世界が注目する技術がここから生まれています。 また、わが国初のバイオメディカル工学の研究拠点にもなっており、学術論文発表をはじめ、特許出願、企業への技術移転なども活発に行われています。 センター内には、日本の工学系大学としては初めて、手術室、X線CT室などを設置。超音波診断装置、内視鏡外科手術システム、人工心肺システムといった最新設備も整っています。大学病院の医療現場に匹敵する充実した環境のなかで、先端機器を実際に使用するなど貴重な体験を積み、臨床工学技士を目指すことができます。