『グローバルネットワークによる次世代医療機器開発と
バイオメディカル工学研究拠点形成』研究成果報告会

  平成23年8月3日(水)、次世代工学技術研究センター(NEWCAT)1階プレゼンテーションルームにおいて、平成22年度私立大学戦略的研究基盤形成支援事業の研究成果報告会を開催しました。
 この事業は平成21年度に文部科学省からの採択を受け「グローバルネットワークによる次世代医療機器開発とバイオメディカル工学研究拠点形成」をテーマに実施されているプロジェクトです。 報告会では、日本大学大学院総合科学研究科 教授 福田昇氏の特別講演と研究プロジェクトメンバーから12件の成果報告を行いました。学内外から約70名が会場に詰め掛け、最先端の研究の一端に触れていました。

 

■医工連携による研究強化が鍵

 第1部では、日本大学大学院総合科学研究科 教授 福田昇氏が「ケミカルバイオロジーに基づくPIポリアミドのイノベーション―創薬を目指して―」と題して特別講演を行いました。新規遺伝子制御薬であるPIポリアミドの創薬研究のために、日本大学のN.研究プロジェクト医療班や各学部専門分野、他大学や海外、研究所や企業などと国際共同開発を進めている現況を紹介。さまざまな研究内容や実際に研究開発された手術後の皮膚肥厚性瘢痕治療用PIポリアミドの塗布シートについて説明するとともに、医学の研究とはどういうものなのか、ゲノム創薬の流れはどうなっているのか、日米の違い、大学の研究領域などについても語られました。
 講演後には、同分野の研究者から質問や意見も飛び交い、創薬研究の最前線で活躍する福田氏の講説に、参加者は大きな刺激を得たようでした。
 また、第1部の最後には、先に新聞に掲載された記事をもとに、本学部電気電子工学科尾股定夫教授から、政府の復興特区構想として、岩手・宮城・福島に医療機器拠点を形成する構想が持ち上がっていることが伝えられました。医学部と工学部の連携を強化し、国際水準の臨床研究の実現を図るとともに、医療現場の視点から手術用ロボットや内視鏡手術器具を開発することが狙いです。尾股教授は「これからはさらに医工連携、産学連携が重要であり、医学・工学の知識を持った医者とエンジニアの育成が大事である」と言及しました。

 

■日本大学工学部発の独創的な技術を発信

 第2部では、「Haptic(触覚)技術による次世代医療機器の開発とバイオメディカル工学研究拠点形成」の研究成果を報告しました。
 新しい癌治療用マイクロ波アンテナの開発や尿失禁防止弁の開発、外科手術ロボット用Hapticデバイスの開発など、さまざまな最先端医療機器の研究の成果と今後の展開について報告。
 第3部では、「バイオナノテクによる高度化先端医療診断システムの研究」の研究成果を報告しました。
 医薬品として利用が期待される生体分子の研究、光プローブを利用した男性不妊症検査キットの開発、オーダーメイド医療に役立つ遺伝子診断方法やDNAチップの開発など、バイオテクノロジーとナノテクノロジーを融合した、新しい技術分野の研究とその成果について紹介。
 この事業は平成25年度まで継続され、研究によって創出された先端的な医療機器研究は、事業化に展開しながら要素技術を含め研究成果の商品化を進める予定です。

 今後ますます求められる医療分野での工学技術。NEWCATはその最先端の研究拠点であり、着々と成果をあげています。日本大学工学部発の独創的な技術を世界に発信することを目指して、若い研究者を育てながら、NEWCATはさらに高度な研究に取り組んでいきます。

※研究成果詳細については下記をご参照ください。

平成22年度研究成果報告会要旨集 .pdf