ブラジル・リオデジャネイロで,1992年の地球サミットから20年の節目で開催された,国連持続可能な開発会議「リオ+20」で福島県を代表して基調講演をするため,出張されていた機械工学科 柿崎隆夫 教授より,現地リポートをいただきましたので,下記に掲載いたします。

 ブラジル・リオデジャネイロで開催された国連持続可能な開発会議(リオ+20)において、会議初日となる6 月20 日(水)にジャパンパビリオンにて、「ジャパンデー」として東日本大震災からの東北の復興と日本の多面的魅力をアピールするセミナー及びイベント「ジャパンイブニング」が開催されました。私はセミナーにおいて基調講演をするとともに,引き続き開催されたジャパンイブニングでは,福島県を代表して各国に皆様に福島県の魅力をお伝えするホスト役を務めさせていただきました.
 私は外務省主催のセミナー第二部において,Our Challenge for Sustainable Fukushima through Its Revival and Development(邦題:福島復興発展への挑戦 ―持続可能な産業と社会の形成に向けて)とのタイトルにて基調講演をいたしました.
 講演内容はまさにタイトルの通りで,「震災そして原発事故被害からの復興には崇高な理念と明快な目標が必要であること,孫の世代まで引き継いでやり抜く決意が必要であること,そのため日大工学部では10年前からロハスの工学を掲げ,若者が熱意を持って未来創成に取り組んでいること,こうした動きと再生可能エネルギーポテンシャルに恵まれた地域特性を最大限生かし,県内,国内そして世界の知恵を集めエネルギー自立で自然と共生するサステナブル福島を実現していく,それを福島モデルとして世界へ発信し提供していく」という熱いメッセージを世界の皆様へお伝えしました.
 講演内容を固めるにあたっては,ロハスの家プロジェクトを牽引する機械工学科教授加藤康司先生にさまざまな視点から有意義な議論をして頂きました.また講演スライドには郡山市在住の写真家野口勝宏さんによる美しい福島の花の写真を使わせて頂きました.野口さんの花の写真について新聞で記事を読み,すぐさまフェイスブック経由でお願いし快諾して頂きました.
 セミナー第一部では細野環境大臣のメッセージ(代読)に続き,広中和歌子 地球環境行動会議(GEA)事務総局長(元環境大臣)ほかの講演もありましたが,エネルギー自立で自然と共生する生き方が重要であるという視点は,すべての講演者に一致した見解でした.このことからも,ロハスの工学を進める工学部が世界を牽引していく一つの力にならなければならないことを改めて示すものでしょう.
 セミナーは入場許可なしには参加できない形式でしたが,そうした中,Rio+20に参加している各国メンバー,NGOやNPO関係者,報道関係者,パビリオン参加日本企業関係者などで会場は満席となり,関係者の関心の高さを物語っていました.外務省関係者も盛況の様子に準備したかいがあったと感想を漏らしていたのが印象的でした.
 セミナーに引き続き,現地時間 同日午後5時から午後7時まで,ブラジル・リオデジャネイロ アスリートパークにてジャパンイブニングが開催されました.はじめに日本政府を代表し玄葉外務大臣のご挨拶があり,日本人学校生徒から東北三県代表者への応援メッセージ(七夕の短冊)贈呈,政府代表と東北三県代表者による鏡開き,東北三県からのメッセージの時間が設けられました.私も福島県代表というこことでこのイベントに参加することとなり,世界の皆様へは「ぜひ美しい福島へおいでいただきたい」とお伝えしました.引き続き,東北の郷土料理・日本酒の試食・試飲,さらにサンパウロ和太鼓グループによる和太鼓パフォーマンスなどで イベントは大変に盛り上がりました.特に福島県のコーナーに設置されたメッセージボードには,世界各国の皆さんから熱いメッセージをたくさん頂戴しました.これは後日福島県庁へ送付される予定となっています.

 最後に簡単に感想を述べてみたいと思います.今回の会議は地球環境や経済、社会の在り方を話し合うもので,1992年の地球サミットから20年という節目に開かれるため、Rio+20と呼ばれているものです.現在,多くの国の指導者が世界経済の減速や欧州債務危機に注力せざるを得ないこと,オバマ米大統領やメルケル独首相など有力首脳が欠席したことなどから,全体会議合意案では、具体的な目標は盛り込まれず不調に終わったとの観測もあります.しかしリオ市内ではNGO,NPO関係者の会合,集会そして展示などが盛りだくさんで,世界中から今回の会議関係で参集した人々は5万人を超えるといわれています.再生可能エネルギーの活用がよい例ですが,新しい動きは市民や若者が動き出すようになれば,しめたものです.その意味では世界各国の市民や若者の熱気溢れるリオには希望も見えました.Rio+30がもし開催されるなら,日大工学部から大挙して学生諸君を送り込まなければならないなあと思いつつ,慌ただしくリオを後にしました.
 今回の出張に際して,ご支援ご協力くださった日大工学部の皆様,外務省の皆様,そのほかお世話になりました皆様方にこの場を借りて深く御礼申し上げます.ありがとうございました.

 2012年6月23日 
 日本大学工学部機械工学科教授 柿崎隆夫

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 福島県の代表として出席され,本学の掲げる「ロハスの工学」を世界に発信するという大役を担っていただき,ありがとうございました。また,ブラジルまでの長旅,本当にお疲れ様でした。