サステナブルシステム研究室(Sustainable System Design Laboratory)オープンラボ開催

 機械工学科サステナブルシステム研究室は開設1周年を記念し、平成23年2月21日(月)にオープンラボ&研究活動発表会を行いました。
 本研究室(通称SSラボ)は、昨年4月に柿崎隆夫教授と遠藤央助教の教員2名と10人の院生・学生でスタートしました。この1年間の研究活動について柿崎教授にお話を伺いました。

 

ーなぜサステナブルシステム研究室と命名されたのですか。

 サステナブルシステムという名称は、日本大学工学部が進めるロハス工学・教育の確立に向け、システム工学的なアプローチで貢献できるように考えて命名したものです。私たちの住む地球は、環境問題だけでなく、人口問題そしてエネルギ問題と数々の課題に直面しています。
 ロハス工学はこうした課題解決への大きな切り口です。「健康で持続できる」ということは、きわめて普遍的かつ一般の人々が最も重視するテーマと言えます。我々専門家は科学と技術、さらには教育というファンクションを介して、このテーマに具体的な回答を投げかける責務があります。このため、SSラボを軸足に、学科、次世代ロハス工学研究会、さらにはここ工学部で活発に活躍されている先生方、院生および学生の皆さんと領域を超えた学際コラボレーションを進めていける環境も作っていきたいと考えています。

 

ー具体的にどんな研究を行っているのですか。

 新しく発足したラボですので、まずは大テーマとして「ロハス型環境システムのデザインとコントロールに関する統合研究」を掲げた他は、何にでもチャレンジしています。そのいくつかをご紹介します。

■自然な振る舞いを発現するネイチャーロボティクスの研究
 ・地域貢献を目指した安全で高精度な環境建設機械システムの研究
 ・再生可能エネルギ駆動を活用した省エネルギ型機械システムの研究

■サステナブルシステムの設計および制御に関する研究
 ・位置エネルギを利用したハイブリッド蓄エネルギステーションの研究
 ・環境状態を持続的に観測発信する自律型センシングシステムの研究

■環境と親和する埋込み型ライフサポートシステムの研究
 ・直感インタフェースと物理エージェントを用いたライフサポートシステムの研究
 ・学生をユーザとするゴール志向型ライフログ活用に関する研究

■人間と機械との共存環境デザインに関する研究
 ・人間と機械・設備とのサステナブル共存環境デザインに関する研究
 ・人間集団行動に関するモデリングと検証に関する研究

 

 昨年10月に行われた、日本大学工学研究所主催の「第11回産・学・官連携フォーラム」で「これからのライフサポートとライフセキュリティ」と題して講演もさせていただきました。家庭内の家電機器類を相互にネットワーク接続し、さらに屋外からも接続しサポートする、子どもや高齢者の見守りサービス。また、ライフログを活用して、学生の成長をサポートするシステムなど、これからの動向を中心にご紹介しました。

 

ー今回、オープンラボを開催した理由は何ですか。

 ラボが発足して約1年。研究活動がまだ緒についたばかりで、「We did」と胸を張って言えるような成果はまだまだです。しかし現状を知って頂くことが仲間づくりのスタートと考え、思い切ってオープンラボを企画しました。
 実は昨年から、学科を超えていろいろな先生方、そして学外の専門家の方々とコラボレーションをしたいと画策(笑)していますが、そのためのちょうどよいキックオフにもなりました。短時間での準備は大変でしたが、ITセンタや学科の皆さんに支援して頂き大変助かりました。

 

ーオープンラボの反響はいかがでしたか。

 4年生が中心となってほぼゼロから進めてきた研究を紹介しましたが、ご来場いただいた皆さまから貴重なご意見を頂き、私も学生たちも大変勉強になりました。来年度はこのうちいくつかを継続していきたいと考えています。
 3年生のポスターはゼミでの課題学習をベースにチームで頑張った成果です。3年生が、このように発表することはなかなかありませんので、とても有意義な機会になったと思います。

 

ーこれからの目標をお聞かせください。

 ここ工学部ではさまざまな研究が進められており、開発された技術は、世に出ているものもあります。しかし、それらをロハス工学として大きなうねりにしていくためには、ロハスシステムの設計法確立が必須だと考えています。ロハス工学は我々の生き方を問い直すテーマでもあります。したがって、短兵急ではなく、10年先、20年先を見据えた研究テーマの苗を、どっしりとした大木へと成長させていきたいと考えています。

 

ー今後のご活躍を期待しています。ありがとうございました。

 

※本インタビューは3月11日の東日本大震災の前に収録したものです。震災後に、改めて以下のメッセージをいただきました。

「今回の大震災を受け、私どもサステナブルシステム研究室としても新しくそして重要な責務を負いました。それは、この震災から不死鳥のように立ち上がるか『Sustainable FUKUSHIMA』を実現するために、この地域や人々を精一杯ご支援することです。簡単なことではありませんが、これを今後の最重要ミッションにしていくつもりです。」

サステナブルシステム研究室
TEL.024-956-8810
E-mail: ss.lab.nihon.univ@gmail.com
webpage :http://www.mech.ce.nihon-u.ac.jp/~kakizaki