理工系学生や技術者・研究者に役立つ

科学技術文作成のためのガイドブック

bunshojutsu_image001 この度、生命応用化学科の西出利一教授が『理系のための文章術入門―作文の初歩から、レポート、論文、プレゼン資料の書き方まで』(㈱化学同人)を出版いたしました。この著書は、理工系学生および技術者・研究者(本書では理系人という)が科学技術文(本書では理系文という)を作成するためのガイドブックです。文書を書く初歩技能から、さまざまな文書作成に役立つ実践的な知識まで、理系人が文書を書くために必要なノウハウが1冊にまとめられています。理工系大学の初年次教育における日本語作文教育にも大いに活用できる指南書です。

西出教授は10年ほど前から機能材料研究室に配属された卒業研究生を対象に、論文等作成のための『研究の進め方』という手引書を作成し指導されてきました。ここ7年の間に、シンポジウム等の学会発表において、のべ7人の指導学生が優秀発表賞等に輝いており、その成果が顕著に表れています。本書はその手引書をわかりやすく見やすいビジュアル誌面に編集し直し、一般の方にも使っていただけるよう新たに作成されたものです。詳しい内容や特徴について、執筆した西出教授にお話いただきました。

 

初心者でも無理なく理系文作成力をマスターできる

理系人にとって、文章作成は重要なワークの一つです。学生なら実験レポートや卒業研究論文、修士・博士学位論文など、社会人なら研究・実験報告書や論文、会議議事録など、文章を書く機会は数多くあります。理系文は正確でかつ論理的で、しかも簡潔に書かれていなければなりません。わかりやすく過不足なく書くことも重要なポイントです。しかし、それは容易なことではなく、特に書くことが苦手な多くの若者にとっては難しい課題となっています。

そうした状況を踏まえ、若者(初心者)が無理なくステップを踏んで理系文作成力をマスターできるように、本書は以下の4部で構成されています。

 

『理系のための文章術入門』CONTENTS

【準備編】理系人に必要な文章術とは

【基礎編】文章を書くための基本を知る

【実践編】レポート・論文を書く

【応用編】いろいろな場面で作成する理系文書の書き方

 

論理的な理系文を書くためには、通常の日本語文と理系文との違いを認識する必要があります。【準備編】では、それぞれの特徴や構成を対比させたうえで、日常の文とは少し異なる文書形式である理系文の基本的な構成と重要なポイントについて解説しています。【基礎編】では、実際に文章を書くときに必要な日本語文法の知識について解説し、さらに理系文に必要な「パラグラフ(段落)の構成・構造・表現法」と「文章の構成・構造」について述べています。ここで解説する7つの文型(公式)と典型的表現法をマスターすれば、基本的な理系文は書けるようになるでしょう。実践編では、例を挙げてわかりやすく解説しながら、図表・図解の作り方を含めた実際のレポート・論文作成術を述べました。

さらに応用編では、投稿論文や発表用のスライド・ポスターから企業の各種文書まで、多種多様な形態に応じた文章作成のコツがわかるようになっています。

また、巻末には用途に応じた逆引き索引もあり、知りたいことや困ったことをすぐに調べられるのも本書の大きな利点と言えます。

 

学生だけでなく、指導教員や社会人まで幅広く使えるバイブル

bunshojutsu_–€image002次のような工夫を凝らしているのも、本書の特徴です。

重要な部分をカラーにして強調したり、ポイントを枠で囲むなど、ビジュアルな誌面だから、内容が掴みやすい。

日本語の構成と特徴を述べ、ついで理系文の構成と特徴を、日本語文のそれと比較しながら述べているので、両者の違いがより明確にわかる。

理系文の特徴を「理系文法」として体系化したことで、理系文の書き方を体系的に困難なく習得することができる。

理系人が書くさまざまなスタイルの文章(レポート・卒論・企業報告書など)を示し、書き方を具体的に解説。多様なスタイルの文章にれ、それらを書くスキルを身につけることができる。

多くの例文も掲載。特に悪い例と良い例を示しているので、初心者が陥りやすい問題点を知り、どうすればよいのかを考えるのにも役立つ。

 

bunshojutsu_–€image003学生はもちろん、指導される教員の方や18歳から30歳くらいまでの幅広い理系人に読んでほしいと思っています。本書を活用することで、さまざまな理系文が上手く書けるようになれば、価値も高まり、理系文作成の達人と賞賛されることでしょう。それは私にとっても大きな喜びです。

これまで教育現場で培ってきたノウハウを活かし、学生の皆さんが大学での学びをより有意義なものにできるよう、これからも役立つ情報を提供していきたいと考えています。