研究を通して社会に貢献し自らも成長できることが研究の魅力

2013%e8%bb%bd%e9%87%91%e5%b1%9e%e5%ad%a6%e4%bc%9a125%e5%84%aa%e7%a7%80%e3%83%9d%e3%82%b9%e3%82%bf%e3%83%bc%e7%99%ba%e8%a1%a8%e8%b3%9eimage002 11月9日(土)から10日(日)に行われた一般社団法人軽金属学会125回秋季大会において、機械工学専攻2年、藤原研究室の山梨直紀さんの「微細結晶粒Al-Mg固溶体における荷重急変後の押込みクリープ挙動」が、優秀ポスター発表賞を受賞しました。軽金属学会はアルミニウム・マグネシウム・チタンなどの「軽金属に関する学術・技術の進歩発展を図り、工業の発展に尽くす」ことを目的とする学会で、毎年春と秋に講演会を行っています。優秀ポスター発表賞は、ポスター発表を行った学生に対して厳選なる審査の上に授与される賞です。
 山梨さんの喜びの声と研究の魅力についてお聞きしました。

 

―優秀ポスター発表賞おめでとうございます。感想をお聞かせください。

 正直、驚きました。嬉しい気持ちと同時に、同じ研究室の歴代の先輩方が数々の賞を受賞されていたので、自分も研究室に貢献できてよかったと思いました。賞のために発表したわけではありませんが、これまでの成果が認められたことは自信になります。研究はまだ途中段階なので、これを励みに頑張りたいと思います。また、今回受賞できたのも日頃からご指導いただいている藤原先生や高木先生、研究室の皆さんのおかげであり、深く感謝しています。

 

―発表された研究の内容に説明いただけますか。

2013%e8%bb%bd%e9%87%91%e5%b1%9e%e5%ad%a6%e4%bc%9a125%e5%84%aa%e7%a7%80%e3%83%9d%e3%82%b9%e3%82%bf%e3%83%bc%e7%99%ba%e8%a1%a8%e8%b3%9e%e5%8f%97%e8%b3%9eimage004 材料強度物性研究室では、次世代材料として注目されているバルクナノメタルについて研究を進めています。結晶粒径がナノメートルサイズの金属材料です。レアアース等の元素を添加することなく強度を数倍に向上することができます。そのため、輸送機器や建築用構造物省資源・省エネルギーの実現が期待できます。しかし、室温付近でもクリープが生じるという欠点もあります。そこで、微細結晶粒Al-Mg(アルミニウムマグネシウム)固溶体合金を用い、クリープの変形メカニズムの解明に取り組みました。実験には、わずかな体積の試料からクリープ特性を評価できる計装化押込み試験法を用いました。

 

 

―どのような結果が得られましたか。

2013%e8%bb%bd%e9%87%91%e5%b1%9e%e5%ad%a6%e4%bc%9a125%e5%84%aa%e7%a7%80%e3%83%9d%e3%82%b9%e3%82%bf%e3%83%bc%e7%99%ba%e8%a1%a8%e8%b3%9eimage006 結晶粒径が微細なものと粗大のものを用い,押込み荷重急変試験を行いました。瞬時に荷重を負荷または除荷する実験です。この実験により,材料中における塑性変形の因子(転位)の挙動を 知ることができます。すると荷重を急増させた場合、微細結晶粒材と粗大結晶粒材では転位の挙動が異なるという結果が得られ、微細結晶粒材における転位のすべり運動は、添加元素のない純アルミニウムに近い挙動を示していることがわかりました。また、荷重を除荷した場合は、変形が徐々に戻ってくるという現象が見られました。この実験により、通常のAl-Mg固溶体合金では起こらない現象を捉えることができました。

 

―どのような点が評価されたと思いますか。

 今までにない現象を捉えた成果が認められたのではないでしょうか。また、多くの方に研究を%e8%bb%bd%e9%87%91%e5%b1%9e%e5%ad%a6%e4%bc%9a125%e5%84%aa%e7%a7%80%e3%83%9d%e3%82%b9%e3%82%bf%e3%83%bc%e7%99%ba%e8%a1%a8%e8%b3%9eimage008理解していただけたことも、受賞に結びついたのかもしれません。ポスター作製においては、いかに相手に見やすくわかりやすい構成にするかを考えました。説明においても相手の反応を見て言葉を選び、簡潔な説明を心がけたことが評価に繋がったのではないかと思います。ポスター発表は聴講者との距離が近く、1対1で対応できるため、相手の意見を直接聞くことができるというメリットがあります。この研究はまだまだ不十分な点がありますので、さらなる研究が必要です。いただいたアドバイスを活かしていきたいと思います。

 

―どんなところに研究の魅力を感じますか。

 専門性を高めるだけでなく、プレゼンテーション力や考える力を身につけたいと思い、大学院に進学しました。研究で成果を得ることは一筋縄ではいきません。そのため、様々なアプローチをする必要があります。その過程では多くの問題に直面し、それを解決することによって研究が進んでいきます。深く研究していく中で、理解力や論理的思考を養うことができます。研究を通して社会に貢献できるとともに、自分の成長にもつながることが研究の魅力だと思います。さらに私の場合は、インデンテーション法を用いた独自の手法で研究できることも魅力であり、他では味わえない醍醐味を感じています。

 

―今後の目標についてお聞かせください。

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―ありがとうございました。今後の研究成果を期待しています。