人工湿地の水質浄化性能を解明した研究が
高く評価され奨励賞を受賞

第3回日本水環境学会奨励賞image002 1月9日(土)に行われた第3回日本水環境学会東北支部研究発表会において、土木工学科4年生の秋田紘志さんが奨励賞を受賞しました。本研究発表会は(公社)日本水環境学会の支部大会に位置づけられる学術発表会です。発表の完成度、研究目的と結果、質疑応答などの視点で審査が行われ、社会人・大学院生と学部生を分けて優秀賞と奨励賞が選定されました。人工湿地の中長期的な水質浄化性能を明らかにした秋田さんの発表は、学部生部門の奨励賞に輝きました。

 秋田さんの喜びの声とともに、研究について詳しくお話を聞きました。


-奨励賞おめでとうございます。感想をお聞かせください。
 
 発表練習は入念に行ったのですが、こうした大きな第3回日本水環境学会奨励賞image004舞台での発表は初めてだったので大変緊張しました。これまで同じ環境生態工学研究室の先輩方が受賞されてきたこともあり、自分も取りたいという気持ちはありましたが、本当にいただけるとは思ってもみませんでした。他の方々の素晴らしい発表の中で、自分がいただけたことは大きな自信になります。研究に対して興味を持っていただけたのも大変嬉しかったです。また、多くの貴重なアドバイスもいただきました。次の学会では、今回の反省点も踏まえながら堂々と発表ができるようにしたいと思っています。

-研究内容について詳しく説明いただけますか。

第3回日本水環境学会奨励賞image006 工場などの廃水にはリンや窒素といった富栄養化になる物質が含まれているため、汚水処理が必要です。その分コストもかかります。コストを削減し管理もしやすい方法として、私たちの研究室では人工湿地を利用した方法を提案しています。その中で、今回は『多段型人工湿地における6年間のリン除去性能の変遷』について発表しました。多段型人工湿地は段々畑のような5つの層に複数のろ材を詰め、それらを通過した汚水が浄化される仕組みになっています。特にリンに着目したのは、他の有機物や窒素は二酸化炭素やメタンガ第3回日本水環境学会奨励賞image008スなどの気体となって水から除去されますが、リンは気化しない性質であるため、完全に除去するのが難しい物質だからです。水を流す前と後でどのくらい処理されているのか、設置した人工湿地から採取した水を研究室で分析しました。土に関する分析は外部に依頼しました。

-どのような成果が得られましたか。

 6年間のデータをまとめた結果、最初の頃は90%除去されていましたが、最終的には80%と数値は下がっていました。リンは湿地内に溜まっていることもわかりました。おそらく化学変化によって凝集沈殿したものと考えられます。あるいは化学変化ではなく、ろ材に付着したり、植物に吸収された可能性もあります。どのように化学変化しているのか解明したいと考えています。また、ろ材によっても除去の度合いが違うので、詳しい分析については現在進めているところです。6年間という長期にわたるデータの解析で整理するのも大変でしたが、その分、終わった時は達成感がありました。

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-土木の魅力はどんなところですか。

 私が土木の道に進んだのは、「ものづくりがしたい」と思ったからです。授業では構造力学や土第3回日本水環境学会奨励賞image012質、水理学などを学習し、さらに環境についての知識も身につけたいと考え、この研究室に入りました。ここでは、土木と機械、電気、生物などを組み合わせながら研究を進めていくので、様々な分野の勉強ができたのは大きな収穫でした。土木は、仕事を通じて人々を守ることができます。それが土木の魅力であり、そのための知識を学びたいと思っています。

 

-最後に後輩たちにメッセージをお願いします。

 私のように高校は普通科だったとしても、大学で土木の専門知識を十分身につけることができます。私は環境分野に挑戦しましたが、土木にはいろいろな分野があります。ぜひ自分のやりたい道をみつけて挑戦してほしいと思います。

-ありがとうございました。今後の活躍も期待しています。

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