商品化につながる住宅デザインコンテストで
新しい住宅の形を提案し高く評価される

毎日新聞社学生住宅デザインコンテストimage002 この度、毎日新聞社主催の第1回学生住宅デザインコンテストにおいて、建築学科4年の西潟健人さんの作品『ヤドカリの家』が、来年4月に商品化されるHINOKIYA賞に輝きました。建築業界を目指す学生を対象に、業界の未来を担う人材の育成・支援を目的とするコンテストで、受賞作品は商品化のチャンスもあることから約200件の応募がありました。テーマは『家をとことん楽しむ』。西潟さんは、ライフステージの変化に合わせて住居を住み替える住宅をコンセプトに、成長に応じて住まいとしての貝を変えるヤドカリのような住まい方を提案。これからの主流となる多世代住宅に着目した点やユーザーに受け入れやすい設計が高く評価され、受賞につながりました。

 西潟さんの喜びの声とともに作品について詳しくお話を聞きました。

―学生住宅デザインコンテスト入賞おめでとうございます。感想をお聞かせください。

 ありがとうございます。実は、研究室の仲間との思い出づくりのために、みんなで一つのことに挑戦しようと考えたのが、このコンテストに参加するきっかけでした。2班に分かれてそれぞれ違うコンセプトで作品を手掛けていたのですが、どうしても自分でやりたい案が出てきてしまい、個 毎日新聞社学生住宅デザインコンテストimage004人でも参加することにしたのです。ですから、当初は自分の作品が入賞したことを手放しでは喜べませんでした。また、作品の出来栄えも納得いかない部分があり、正直複雑な気持ちだったのですが、11月7日に行われた表彰式に出席し、共催者の桧家グループの近藤昭社長と直接お話する中で、自分の作品についてどういう点が良かったのかをお聞きすることができました。評価していただけて大変嬉しく思いました。 

―作品について詳しく説明いただけますか。

 テーマは『家をとことん楽しむ』でしたが、私は少子高齢化や所得減といった現代社会が抱える問題も包括した新しい住宅を提案したいと考えました。また木造住宅について調べてみると、60年から80年の耐久性があるにも関わらず、30年ほどで建て替えられていることがわかりました。それはハードの問題ではなく、住む人のライフステージの変化によるものだと思いました。これらの問題を解決するために閃いたのが、『ヤドカリの家』という発想です。人間は“住まい”という名の貝に縛られて生きていますが、ヤドカリは成長に合わせて“住まい”を変えます。そこで、世代によって変わるライフステージに合わせた3つか4つの住居をあらかじめ敷地内に建てておき、ヤドカリのように世代に合わせて移り住むという設計を提案したのです。例えば、老夫婦の住居は広いトイレや介護を考慮した平面的なバリアフリーの設計にしました。また、子ども部屋を配置して交流機会を増やすことも考えました。若夫婦の住居には大容量収納の蔵や多目的室を配置し、大開口を利用したシアター機能も付加しました。これらの住居、つまり世代をつなぐ場所が2階中央の共有リビングです。庭園付きで夜には天窓を通して星空観賞もできます。
毎日新聞社学生住宅デザインコンテストimage006 さらに、ハイテクではなくローテクで快適な住空間をつくりたいと考え、南向きの大開口から光を取り込む設計にしました。そこにゴーヤを栽培すれば、ツルが伸びて緑のカーテンになります。冬は暖かな日差しを取り込み、夏はゴーヤのカーテンで日差しをカットしながら、日射をコントロールできるというわけです。
ヤドカリの家.pdf 

 


毎日新聞社学生住宅デザインコンテストimage008―どのような点が評価されたと思われますか。

まず、多世代住宅に着目した点が評価されたと思います。桧家グループの近藤社長も、今後主流となる多世代住宅は会社の方向性とマッチしているとおっしゃっていました。また、老若世代の適度な距離感もよかったようです。そしてお客様にもわかりやすくて受け入れられやすい提案だったので、商品化しやすいという利点が受賞につながったのだと思います。

―今回のコンテストを通してどのようなことが学べましたか。

毎日新聞社学生住宅デザインコンテストimage010 コンテストに参加するのは初めてで、いろいろ勉強になりました。表彰式後、懇親会があり、他大学の学生とパネルを見ながら互いに解説し合ったのですが、自分にない発想を目の当たりにして鳥肌が立ちました。このような交流の機会はなかなかないので、大変刺激になりました。チャンスがあればまたコンテストに参加し、今度は全力を注いで納得のいく作品を創りたいと思います。

―今後の目標や夢についてお聞かせください。

毎日新聞社学生住宅デザインコンテストimage012 オープンキャンパスでロハスの家3号を見て、水や電気を自給自足する家づくりに魅力を感じて工学部に入学しました。新潟県中越地震での自身の経験から、自給自足できる住宅の必要性を 強く感じていたからです。自分の原点でもありますので、将来はロハスの家4号を開発できたらいいなと思っています。

 また一人暮らしを体験し、家族のありがたさを痛感しました。家族がほどよく身近にいて、多世代で交流できる家が一番理想的であり、そうした家づくりに携わっていきたいと思います。 

―最後に後輩にメッセージをお願いします。

 私がモットーにしていることは、“人の2倍密度の濃い人生を”です。みなさんもチャンスがあれば、何にでも積極的に挑戦してほしいと思います。

―ありがとうございました。今後の活躍も期待しています。

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