山登りの経験を活かしてサバイバル冒険旅行に挑む

 土木工学科3年の綿貫毅さんが春休みを利用して、オーストラリア大陸をマウンテンバイクで横断する約2か月間の旅を体験しました。高校生の時に、地元群馬県から北海道、沖縄に自転車で旅をしたことがあり、大学に入ったら海外にも行ってみたいと思っていた綿貫さん。どのような体験が待っていたのか、その冒険の旅を振り返っていただきました。

大自然の中では生きることに精いっぱい

 大学に入ったら海外に行こうと思っていましたが、資金がなくて初めの年は断念。しかし2年生になった時、絶対に行くんだと心に決め、新聞配達をしながら旅費を稼ぎました。旅行先をオーストラリアにしたのは、横断した人のブログを見て面白かったから。治安も比較的よさそうでした。と、思っていたのですが、いきなり怖い体験がありました。オーストラリアについて次の日出発すると、すぐに現地の人に声を掛けられ、その人の家に泊まることになったのですが、なんとそこはトラックのコンテナ。途中でおかしい人だと気づきましたが、なかなか解放してくれなくて。でも隙をみて逃げました。身震いするような体験のうえに、風邪もひいてしまったようで、本当に寒気がしました。知り合いになった日本人の方に紹介してもらったホテルで体を休めた後は、バファリンを飲みながら、ひたすら走り続けました。


 大まかな計画は立ててはいましたが、ほぼ行き当たりばったり。オーストラリアは街と街との間が遠く、特に面積20,000k㎡にも及ぶナラボー平原を走ったときは、ガソリンスタンドとコンビニしかなくて、目の前に広がっているのは荒野だけ。何百㎞も大自然の中を走っていると、生きることに精いっぱいで、他のことは何も考えられませんでした。野生のカンガルーやハリネズミ、「ツチノコ」そっくりのトカゲが道路を横断している世界。サソリと闘うこともありました。日本では見ることのないロードトレインと呼ばれる超大型のトラックがフリーウェイを駆け抜けていく光景に、大陸ならではのスケールの大きさを感じました。そんな状況の中で、親切な旅人に水や食料品を分けてもらう場面もありました。しかし英語が話せない、聞き取れない。優しくしてもらったのに上手く御礼の気持ちを伝えられなくて、心の底から悔しいと思いました。英語ができないことを痛感し、もっと勉強したいと思いました。

 大陸の最高峰コジオスコ山に登った時に山頂で出会ったシドニー在住の日本人や、麓で出会った現地の日本人の方にも大変お世話になりました。シドニーに着いて連絡すると、家に招待され現地の料理や美味しいお酒をご馳走になりました。改めて日本人は親切だなと思いました。

 これからは、所属するワンダーフォーゲル部の活動に力を注いでいきたいと思っています。今年55周年を迎える伝統あるサークルですが、低迷した時期もありました。今はまた活気を取り戻しつつあります。昨年は台湾での登山を実施し、来年は“キリマンジャロに行く計画を組んでいるところです。山登りもサバイバル。山の厳しさを経験していたから、自転車で横断できたのだと思います。今回の冒険旅行は大変貴重な経験でした。視野が広がるとともに、肝が据わったというか、物事にも動じなくなったような気がします。失敗も多々ありましたが、それもいい経験でした。これからも失敗を恐れずに大学時代にしかできないことにチャレンジしたいと思っています。