68土木学会優秀講演賞image001液状化のメカニズムを解明した

研究発表が優秀講演者に輝く

 この度、公益社団法人土木学会全国大会第68回年次学術講演会において、土木工学専攻2年の谷田貝航さんが優秀講演者に選ばれました。谷田貝さんが発表した講演題目「間隙の再配分を考慮した液状化強度評価のための部分排水繰返しせん断試験」は、大地震後に起こる液状化現象のメカニズムの解明に迫った研究です。

 谷田貝さんの喜びの声とともに、研究について詳しくお話を聞きました。

 

 

―優秀講演賞おめでとうございます。感想をお聞かせください。

 ありがとうございます。大学院ではもちろん、学部生68土木学会優秀講演賞image002の時から学会で発表する機会はありましたが、賞をいただくのは今回が初めてで、自分でも驚いています。指導教員の仙頭紀明先生に発表練習やディスカッションなど、ご指導いただいたお陰だと感謝しています。また、現象について深く理解していたので、質問にも自信を持って答えられたことが高評価につながったのではないかと思います。

 

 

―受賞した研究の内容について、詳しくお話いただけますか。

68土木学会優秀講演賞image003東日本大震災の時、広い範囲で液状化の被害が見られましたが、実は本震ではなく余震後にこの地盤の大変形が起きていたのです。「なぜ時間が経ってから地盤の変形や墳砂が起こったのか」。その現象を明らかにするために、液状化した地盤内部の水の動きと地盤変形の関係に注目した研究を行いました。地盤は砂粒同士が接触していることで強さを保っていますが、地震の強い揺れにより地盤全体が変形すると、隙間の水を押し出す力が働きます。それが間隙水圧です。間隙水圧が過剰に上昇し、地盤の上部に水が上がってくるため、液状化層上部では体積が膨張、土が沈んだ下部では体積が収縮し、その土の間隙の増加によって進行性破壊が発生したのだと推測しました。つまり、圧力の高くなった地下水が「墳砂」や「墳水」として地表面に噴き出した状態です。この体積膨張が起こる個所に着目し、中空ねじりせん断試験を用いて土に流入・流出する水の量をコントロールした繰返しせん断試験を行いました。まず地中の地盤の締まり具合基準を再現した供試体を作製します。間隙水を注入した時と注入しない時の違いを見るため、地震と同レベルの力を加え、どのくらいの揺れで破壊するか実験しました。その結果、間隙水を注入することで土は脆弱になり、壊れやすくなることがわかりました。地震の揺れだけで壊れたのではなく、間隙水の影響により地盤の上層部が脆弱になり地盤が変形しやすくなっていたというわけです。

対策としては、地盤に穴がたくさん開いた合成樹脂製の排水管を埋め込み、水を通りやすくして間隙水を地上に導く方法が有効的だと考えられます。

 

―大学院に進学したのはなぜですか。

68土木学会優秀講演賞image004ちょうど就職活動をしていた時に東日本大震災を体験しました。地盤防災工学研究室で、被害状況を調査するために現場に行くうちに、もう少し研究してみたいという気持ちになりました。震災がなかったら大学院に進学していなかったかもしれません。研究を重ねていく過程で、さまざまな角度から物を見ることの大切さを学びました。それが、就活でも役に立ったと思います。

 

―どんなところが土木の魅力ですか。

 道路だったり、橋だったり、公共施設だったり、社会の基盤づくりに携われることが、土木の一番の魅力だと思います。そういう仕事に携われるのは大変光栄なことで、やりがいを感じます。

 

―将来の夢をお聞かせください。

 68土木学会優秀講演賞image005もともと土木の道に進んだのは、社会基盤施設を造って世に残したいと思ったからです。大手総合ゼネコンに就職することができ、その夢に一歩近づきました。

将来は、多くの人に利用してもらえるような大きな社会基盤施設を造りたいと思っています。

 

  

 

 

―ありがとうございました。卒業後ますます活躍されることを祈念しています。

 

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