教授:春木 満 准教授:平野 展孝
酵素は、環境にやさしい物質生産や、バイオマスの有効利用への応用が期待されています。当研究室では、そのための新規酵素の探索、酵素機能改変、微生物ゲノムの改変などの研究を行っています。また、医薬品等への応用をめざした新規ペプチド・核酸の開発にも取り組んでいます。
酵素などの生命分子は非常に複雑である一方、優れた機能を色々と持っています。その性質を生かし、持続可能な社会の構築と、健康の増進に応用する研究を行っています。たとえば、酵素は医薬品の合成反応などにも利用されており、バイオエタノール生産への応用も期待されています。そこで、進化工学的手法を用いて、熱安定性や活性を向上させることにより、工業利用に適した酵素の開発を目指しています。また、堆肥中の微生物から、有用な酵素をみつけることも目指しています。健康の増進については、癌や薬剤耐性菌に効果のあるペプチド・核酸・生理活性物質の開発を目指して研究を行っています。
准教授:齋藤 義雄
ナノテクノロジーとバイオが融合した新しい研究分野がナノバイオです。当研究室で力をいれているのは、遺伝子診断のための画期的な蛍光プローブの開発で、DNAチップや遺伝子診断試薬として重要なものです。個人化医療には欠かせない技術で、化学をベースに基礎研究を行っています。
当研究室でのバイオナノテク分野の研究で、特に力をいれているのは遺伝子診断装置、診断チップ、診断キット等の開発研究で、これからの個人化医療(テーラーメイド医療)には欠かせないものです。例えば、薬が効くか効かないかの個人差は、その人の薬物代謝酵素の遺伝子の違いを調べればたちどころに分かります。このような遺伝子診断を簡便に安く同時多量に行う装置と試薬を、大手民間企業と共同で開発しています。人工DNAをナノテクノロジーの材料とするDNA ナノテクノロジーの研究も精力的に行っています。
准教授:石原 務
難治性疾患治療や副作用の低減、患者さんの生活の質の向上などを達成するために、工学的な視点/アプローチからドラッグデリバリーシステム(DDS)技術を用い新たな機能性医薬品の開発をおこなっています。
医療技術の進歩により多くの疾患の治療が可能になりましたが、依然としてほとんどの薬物療法には副作用などの課題が存在します。DDSは、薬物治療効果をあげるために、既存の薬物に工夫(加工や修飾)を施した薬物投与形態であり、必要な時に、必要な量を、必要な場所で作用させることを可能にします。当研究室では、主として合成高分子を利用したナノ粒子型製剤の開発をおこない、そのDDS医薬品としての可能性を検討しています。
教授:平山 和雄
生命に必要な水とエネルギーについて、その水が安全・安心であることを保証する超高感度な環境化学計測法の開発と、バイオマスの有効利用による化石燃料に依存しない新規水素製造の開発を研究しています。
驚くほどのスピードで悪化している地球環境。私たちはこの地球環境に負荷をかける物質の汚染状況の調査と、有害成分の除去と有用金属の回収を可能にする新しい吸着材料の開発を目指しています。研究の成果は、海や川などの環境水を汚染から守り、良好な水質を保全・監視するのに大いに役立ちます。そのため、従来の方法では測定不可能だった環境水中の微量成分を定量できる超高感度分析法の確立のための研究にも取り組んでいます。
専任講師:小林 以弦
界面の電子のやり取りを観察し応用する学問が電気化学です。当研究室では電気化学を環境フレンドリーなエネルギーデバイス・耐久性材料の開発に応用し、「持続可能な社会」の実現を目指しています。
専任講師:佐藤 公俊
持続可能な環境維持を目的に、測定技術の開発と処理法の開発を行っています。環境水中からの有害または有用な微量金属の回収法の開発、排水中からのリン・窒素などの富栄養化成分の回収法などについて検討しています。
人はもちろん動植物への影響も心配されるのが水の汚染です。当研究室では、海水・河川水・湖沼水・地下水などの環境水中の有害物質の測定や有害物質を除去する研究を行っています。環境水中の極微量金属を定量する方法としては、金属を吸着して集める吸着法を利用した濃縮法が有効です。そこで私たちは、シリカゲルに特別な試薬を加えた吸着剤の開発を進めています。作物の肥料や下水処理装置などから出るリン酸や窒素化合物が環境中に流れ出ると、富栄養化の原因となります。リンや窒素を除去する除去剤を開発する研究にも取り組んでいます。
准教授:児玉 大輔
地球温暖化の原因の一つである二酸化炭素を回収し、地中や海洋に隔離貯蔵するための研究や、気体でも液体でもない超臨界流体を利用し、医薬品などナノ微粒子を創る研究など、地球にやさしい技術の開発に取り組んでいます。
重要な問題となっている地球温暖化。その原因の一つとされる二酸化炭素を回収し深海に貯蔵するための研究、超臨界流体を利用し次世代電子材料や医薬品など機能性ナノ微粒子を創る研究、バイオマスの有効成分を抽出する技術の開発などで地球環境保全を目指しています。私たちが扱う超臨界流体とは、臨界点と呼ばれる高温・高圧の一定条件を超え、気体と液体の区別がつかない状態です。研究室で開発した超臨界流体の抽出装置や高圧物性測定装置などを駆使してその特性を調べ、地球にやさしい省エネルギー分離プロセスの開発などに取り組んでいます。
教授:田中 裕之
地球に豊富な水を高温高圧にし、環境ホルモンなどの有害化学物質を無害で再利用可能な物質に変換する研究や、高圧燃料ガスを用いて、産業廃棄野菜から、抗酸化物質などの植物由来薬用物質を抽出する研究、さらに、食品廃棄物を原料とした燃料電池用ガスの発酵技術の開発を目指しています。
20世紀に科学技術が劇的に進歩しました。しかし、地球に存在する自然界の循環サイクルに異変を生じさせる結果となり、今や深刻な問題になっています。そこで、地球上で最も多く分布する水を高温・高圧下の超臨界状態にして、有害化学物質を無害で利用可能な物質に変換する研究に取り組んでいます。また、高圧燃料ガスを用いて、大量に廃棄される野菜から、抗酸化物質などの植物由来薬用物質(ファイト・ケミカル)を抽出回収する研究や、食品廃棄物を原料とした燃料電池用ガスの発酵技術の開発にも取り組み、地球規模の自然サイクルに基づいた物質循環型社会を構築するための環境技術開発を目指しています。
教授:西出 利一
研究室のキャッチフレーズ:新規機能性材料を開発して、省エネ型社会と持続型社会の実現に貢献する。
ゾルーゲル法という化学的な方法で、機能性材料(薄膜・バルク体)を研究しています。目指すものは、省エネ型社会と持続型社会の実現です。
ゾルーゲル法は、金属化合物を加水分解してゾルというゼリー状の液体をつくり、これから様々な機能を持つ無機材料や無機ー有機材料を作製する方法です。たとえば、基板にゾルを塗布して厚さが約100nm薄膜(ルビ:はくまく)を作製し、撥水性、超親水性、滑水性や花びら効果(Petal Effect)などを示す表面機能性材料を創ります。また、ゾルからバルク体(固形体)を作製し、リチウムイオン電池の材料やデシカント空調の材料を創ります。これらを応用して、省エネ社会と持続型社会の実現に貢献します。
化学の多くの知識をもとにして、環境を改善する材料や生活を快適に豊かにする材料を創ることを目指して、ゾルーゲル法という新しい方法を使って研究しています。
ゾルーゲル法とは、金属化合物を加水分解してゾルというゼリー状の液体を作り、これからいろいろな機能(働き)を持つ材料をつくる方法です。たとえば、厚さが100nm程度の薄い膜(
教授:根本 修克
熱に強い高分子や優れた発光特性を有する高分子は、電子産業をはじめとする幅広い分野で用いられています。当研究室では、天然に豊富に存在する元素であるケイ素を含む新しい材料を作り出す研究を行っています。
プラスチック製品の形で私たちの生活に密着している「高分子」は、電子産業などにおいても精密成型材料、注型材料、封止材料あるいは接着剤などとして用いられています。その中で耐熱性、すなわち熱に強い高分子は幅広い用途に用いられています。また、天然に豊富に存在する元素であるケイ素を含む高分子は優れた耐熱性を示すため、ケイ素を含む新しい骨格の有機材料・高分子材料を作り出すための研究を行っています。
准教授:上野 俊吉
本研究室では、自然現象を利用して新規セラミックス材料の作製技術を探求しています。無理やり皮膜を付けるのではなく、無理やり孔を空けるのではなく、無理やり組織を形作るのではなく、基材の酸化と拡散、低温における溶媒の凝固制御、超音波による組織制御により、新規な皮膜、新規な多孔体、新規な複合材料を作製しています。自然現象を利用することのスマートさ、自然に形成される組織の美しさを味わいつつ、研究を進めています。
航空機エンジンやガスタービンあるいはその周辺の新技術で用いられる高温セラミックス材料は、常に”これまで以上”の過酷な環境(耐熱性、耐食性など)に耐えるスペックが求められる。そのため、新しい構造と組織の制御が必要とされる。新しい構造や組織を形成させるとき、無理に形作ると、破壊や剥離の原因となる。無理のない構造や組織を形成させるには、気晶反応や共晶反応のような反応を利用した組織制御、ΔTや融解エントロピーを制御した凝固や、自然酸化膜を利用した原子の拡散による成膜など、自然現象や化学反応をうまく利用することが重要である。多くの自然現象を組み合わせることで、構造制御法や組織制御法は、まだまだ無限に存在する。本研究室では、社会的に要求のある新規材料に対して、新たな製法を提案し、新規材料の開発研究を進めている。
教授:野田 吉弘
天然に存在する化合物には光学活性(鏡に映したときの右手と左手のような)なものが多く存在します。これらは香料や医薬品などとして利用されており、当研究室ではこれらの化合物を有機合成を用いて合成しています。
自然界あるいは人工の化合物の中には、右手と左手の関係(鏡に映した関係)にある分子が存在し、その片方にしか活性がないという特質を持っているものがあります。その中には昆虫フェロモン、医薬品・抗生物質・香料などの化合物も含まれますが、私たちは、天然から見つけられた各種の生理活性を持つ化合物を右手(または左手)の関係にある分子だけを合成する研究を進めています。有機合成にパン酵母やリパーゼを作用させ、光学活性な化合物を合成しており、これら生理活性を示す物質は、製薬会社、化学系企業でも注目しています。また、抗菌性や抗カビ物質、香料、植物・海産物などから単離される薬や毒の研究など、さまざまな実験を繰り返し、有用な物質の合成、分析を行っています。最近、特にポリフェノールやフラボノイド、ビタミンE誘導体などに興味をもっています。
教授:玉井 康文
本研究室では、環境に対して最も優しい有機合成触媒である酵素の優れた特性を、可能な限り単純で合成容易な分子を用いて実現する「人工酵素」の開発を目標に、様々な化合物の設計・合成・評価を行っています。
今、環境にやさしい優れた触媒機能を持つ酵素が注目され、工業的な活用が進んでいます。酵素の触媒機能は高度な分子認識機能が基盤になっており、これを人工的に実現することを目指しています。工業的に利用可能な触媒や分離機能材料の開発に応用できるよう検討を重ね、研究に取り組んでいます。
教授:奥山 克彦
分子にレーザー光を当てると蛍光やりん光が出ます。この光を解析すると分子の変化や構造が分かります。また、有機物質の薄膜に電場をかけると様々な色を出す有機EL素子は、未来のディスプレイとして有望です。
分子にレーザー光をあてると蛍光やりん光が出ます。この光を解析すると分子の変化や構造が分かります。また、有機物質の薄膜に電場をかけると様々な色を出す有機EL素子は未来のディスプレイとして有望です。このように基礎から応用までの幅広い研究を行っています。
准教授:沼田 靖
光を分子に当てると蛍光やりん光などの光を発します。この光の波長や強度を調べることで分子の変化や構造が分かります。これは分光学という分野です。当研究室では分光法をつかって次世代の機能成物質と期待される分子の電子状態の研究と新しい分析方法の開発を行っています。
21世紀は光の世紀といわれています。光はナノテクノロジー・材料、ライフサイエンス、環境、エネルギーといったいろいろな科学技術の進歩に貢献しています。特にレーザーは高出力、高分解能、極短パルスという利点をもっており、分子の電子状態や量子準位を測定するのに最適です。得られた結果から新たな機能性分子を設計したり、新たな分析方法の開発を行ったりしています。
教授:加藤 隆二
太陽の光を化学の力でエネルギーに変換する研究は、人類の持続的発展に欠かせない重要な課題であり、様々な太陽電池や、人工光合成技術として非常に活発に研究が進められています。これらの反応機構をレーザー分光手法を駆使して解明し、得られた知見をもとに、新しい光エネルギー変換反応系への展開を目指しています。
現在、人類は深刻なエネルギー問題に直面しています。その解決に向けて、太陽光をエネルギー利用する様々な光化学反応の研究が進められています。新しい光エネルギー変換反応系として注目を集めている色素増感太陽電池、有機薄膜太陽電池に注目し、その機能発現機構を主にレーザーを用いた分光学的な手法を用いて解明する研究を進めています。これらの研究から得られる”反応の仕組みに関する知識”を生かして、新しい光エネルギー変換反応系を開発することが最終目標です。
准教授:岸 努
分解されることが重要な蛋白質を突き止める独自の手法(conditional two-hybrid 法)を用いて、生命現象の未知のメカニズムを解明しています。
癌や免疫疾患をはじめとした様々な疾患の研究から、細胞内には、分解されることが重要な蛋白質が多数存在していると推測されています。このような蛋白質の同定に多くの関心が向けられていますが、ほとんど明らかにされていません。
私たちは、分解されることが重要な制御蛋白質を系統的に突き止める独自の手法を開発し、生命現象の未知のメカニズムを解明しています。これまでに細胞周期やカルシウム・シグナリングの新しい制御機構を提唱しました。また、蛋白質分解をコントロールする薬剤開発にも取り組んでいます。
助教:内野 智裕
本研究室では、生体硬組織の修復を目指した材料の創製をナノレベルで設計、評価しています。
病気やけが等で失われた組織の修復に、人工材料による修復が求められています。本研究室では,主に骨や歯などの生体硬組織に焦点を当てています。セラミックスを基軸に、金属、有機高分子を用い材料の表面形態や化合物の微構造(結晶構造)を分子レベルで制御することにより、生体組織と同等の機械的性質や、異物反応を示さない高い生物学的親和性を示す材料の設計を進めています。このような材料の設計開発は、再生医療工学の基盤技術として期待されています。
助教:山岸 賢司
近年の情報科学技術の発展は著しく、多くの研究分野にとって必要不可欠な研究手段のひとつとなっています。バイオインフォマティクスは、この情報科学技術を生命科学と融合させた新しい研究分野です。情報科学技術を駆使して、生命に秘められた多くの謎を解き明かしていきます。
タンパク質や核酸などの生体分子は、私たち生命体が生きていく上でとても重要な役割を担っています。そこで当研究室では、これらの生体分子を介した生命現象のメカニズムを、原子・分子のレベルで明らかとすることを目指し、最新のコンピュータシミュレーション(第一原理計算)を用いた研究を行っています。そして、現代の私たちが抱える様々な疾病(新型インフルエンザウイルスや骨粗鬆症、生活習慣病など)に有効な治療薬の設計開発に応用しています。