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自立共生の技術を世界へ
ついに完成!『ロハスの家』


 2009年1月,ついに大型研究装置「ロハスの家」が完成しまた。「ロハスの家」は,石炭・石油・ウラン等の限られた資源に頼らず,自然の再生可能エネルギーを活用することで,自然環境との共生をめざしています。


 1月31日(金)に行われた「ロハスの家」の完成発表会には,あいにくの雨の中,多くの報道陣が詰めかけました。
「風鈴の音を聞いて涼しいと思う日本人の感性を大切にしていきたい」という出村克宣工学部長のあいさつに続き,プロジェクトリーダーである機械工学科の加藤康司先生が「ロハスの家」の概略を説明。その後,現地で最新鋭の研究装置を披露しました。



 設計から1年がかりで完成し,色彩的には京都の金閣寺をイメージしたという「ロハスの家」の1号機。黄金色の研究装置の中には,日本で最高の技術が結集されており,「やがては2号機,3号機と開発を続けたい」という加藤先生のお話に,皆さん真剣に聞き入っていました。





 この「ロハスの家」には,1月の初めから学生らが常駐し,快適性や体感温度などについて調査を続けています。単なるエコハウスではなく,人間の生き方をベースにした新しい住宅産業の創出はもう始まっています。





ロハス(LOHAS)は,次世代を担う若者の夢の対象

 日本は世界一の自動車づくりの国。車のほかに,船や鉄鋼など,世界に誇る技術はたくさんあります。そんな中,次にくる総合技術産業は――と考えたとき、工学部が長期的な目線に立って選んだキーワードが「ロハス」です。50〜100年で枯渇してしまう資源に頼らない新しい生き方が,そこには広がっています。
 “理想の家とコミュニティづくり”は,これから100年にわたって成長する産業です。言い換えれば,次世代の若者の夢の対象,それが「ロハス」なのです。私たち人類は,自動車という乗り物を100年で発達させましたが,ロハスの設備を中心とした新たなコミュニティづくりは,それよりもっと大きな総合技術産業になるはずです。風力や太陽光,地中熱など,あらゆる自立共生の技術を一つにまとめることで,世界へと発信できる新しい産業を創造していこう。次世代の若者に新たな夢のパワーを吹き込もう。こうして生まれた「ロハスの家」には,各工学分野の英知とともに、私たち工学部の熱い思いが凝縮されています。





「ロハスの家」プロジェクトの一員である機械工学科の武樋孝幸先生に,装置の特徴や実験内容について,お話を伺いました。

◆なぜ『ロハスの家』が誕生したのか

 これまで工学部が進めてきた,太陽光や風力などを使ったハイブリッド発電の研究や,雨水を貯留しトイレの浄水に利用する再資源化システムなど,さまざまな研究成果を結集したものが「ロハスの家」です。家は,誰もが利用し,一生使い続けるもの。ロハスの工学を進展させるために,「家」は最も重要な研究課題の一つと言えます。


◆入力電線がない!?
『ロハスの家』のしくみとは

 まず,エネルギーですが,既存の電力や石油などを一切使わず,風力・太陽光・地中熱を活用して冷暖房や照明を賄います。小型風力発電は,この地域特有の風況に合わせて,風車の形を考えました。太陽光発電も,夏と冬との太陽の高さの違いを考慮し,角度を変えた2段のパネルを設置してあります。ヒートポンプで取り出した地中熱を合わせて,蓄熱システムによって部屋の中の温度をコントロール。また,高断熱建材・高気密構造などの現存する最高の建築技術を駆使することで,“入力電線のない”画期的な住環境を実現したのです。さらに,雨水をろ過して,シャワーの水として再利用するための貯水タンクも設置。飲み水として利用できれば,自給自足の生活も可能というわけです。

◆“世界初”の研究に期待が高まる!

 「ロハスの家」は縦3メートル・横4メートル・高さ6メートル。地上1階・地下1階で、室内の広さは6畳ほど。図面で見ていたときは,現実味がなかったのですが,いざ完成してみると,「すごいものができた!」と思いました。“世界初”の研究ですから,期待で胸も高鳴ります。これから約1年間,この実験室で,一般家庭と同じように,人がいる・いないとき,電力を使う・使わないときなど,さまざまな状況下で室内の温度・湿度・空調などのデータを収集し、自然再生エネルギーだけで,どれくらい快適な生活ができるかを実験していきます。実際に被験者として体験しながら,21世紀にふさわしい「ロハスの家」とは何か,自ら実証していきたいと思います。




「ロハスの家」完成編ムービー 



日本大学工学部 College of Engineering, Nihon University