学びの環境

 工学部では、約5,000人の学生の健康を守り、一人ひとりが安心して学生生活を送ることができるように、キャンパス内の環境維持に取り組んでいます。

●放射線測定を独自に実施

 震災発生後の平成23年4月7日より毎朝、教員(生命応用化学科教授)がキャンパス内の7箇所で空間放射線量の測定を継続して実施し、その結果を工学部ホームページ上で公表しています。文部科学省が平成23年4月19日に示した基準値である空間線量率3.8μSv/時(マイクロシーベルト/時間)を下回る数値となっています。
公開中の放射線測定結果

●生活パターン別年間放射線量の測定

 年間を通じても安心できる環境であることを確認するために、授業が始まって間もない平成23年度5月23日から、前学期試験が始まる7月25日までの9週間、生活パターンの異なる学生の協力を得て、実際に受ける積算放射線量をモニターしました。その結果、63日間の積算放射線量の平均値をもとに算出した、1年間の積算放射線量は約1mSv/年(ミリシーベルト/年間)となりました。この値は震災発生前の年間放射線量基準値1mSvと同程度であったことを確認しています。
学生の生活パターン別年間放射線量結果PDF

 また、平成24年3月24日から4月25日までの33日間、「ガラスバッジ(個人線量計)」を用いて、生活パターンの異なる学生と教職員の協力を得て積算放射線量を測定しました。その結果、10名中8名が不検出、他の2名の値も0.05から0.06mSvでした。1年間に換算した積算放射線量は0.55から0.66mSvで、年間放射線量基準値1mSvを大幅に下回る結果となりました。
ガラスバッジによる積算放射線測定結果PDF

 このように放射線量の数値は、震災発生から1年以上が経過して確実に減少しており、さらにキャンパス内の除染作業を実施するなどして、現在、健康に影響を及ぼす心配はなくなっています。

●キャンパス内除染作業を実施

 さらに放射線量を低減し、より安全で安心できる環境を保つために、平成23年6月24日から8月19日にかけて高圧洗浄によるキャンパス内全建物の屋上・壁面及び舗装路面等の除染作業を行いました。これにより、除染後には大幅に数値は減少しています。

●グラウンド表土改善工事の実施

 表土を除去することにより、大幅に放射線量を軽減できることから、工学部では独自にグラウンド表土改善工事を平成24年1月19日から3月15日にかけて実施しました。工事期間中には、併せて高圧洗浄による除染作業も行いました。その結果、グラウンドの放射線量の数値が大幅に減少しています。

 平成24年7月23日から9月15日までの期間には、前回実施しなかった学部ゴルフ練習場、アーチェリー場ほか新設グラウンド等とその周辺の表土改善工事を実施しました。また、8月27日から10月5日には、70号館周辺のインターロッキングブロックの入れ替え作業を行いました。これらの工事により、工学部キャンパス内の空間放射線量率の値は平成24年10月5日現在、下記の通り大幅に減少しています。
●正門0.29μSv/h ●70号館前0.15μSv/h ●70号館教室内0.05μSv/h 
●ハットNE前(通路)0.26μSv/h ●ハットNE1階食堂0.08μSv/h ●グラウンド0.10μSv/h
●本館南側0.23μSv/h
 国の基準では除染の対象外になり、体育の授業や屋外のクラブ活動にはまったく支障のないレベルとなっています。
 今後とも、学びの環境の安全・安心確保に努めてまいります。

●食材・飲料水の安全と安心を確保

平成24年4月、学内に開設した「ふるさと創生支援センター」に放射能測定室を設け、そこに「シンチレーション検出器」と「ゲルマニウム半導体検出器波高分析装置」を設置しました。学生の食の安全安心を確保するために、キャンパス内の飲料水、学生食堂で使用する野菜や魚介類、肉類などの食材に含まれる放射性物質の核種と放射能濃度を測定しています。また、土壌についても即日検査が可能になりました。これまでに調べた測定結果はすべて1ベクレル/キログラム以下で、国が定めた基準値(水は10ベクレル/キログラム、食物は100ベクレル/キログラム)を大幅に下回る値となっています。
工学部の飲料水及び学生食堂食材に含まれる放射性物質の濃度測定結果

●アパート・下宿の安全と確保

放射線測定を独自に実施

 工学部では、新入生や在学生に近隣のアパート・下宿の紹介を行うとともに、家主との信頼関係を築き、学生の生活面でのサポートも細やかに行っています。こうした日頃からの連携を活かして、震災時にもいち早くアパート・下宿の安全について確認作業を行うことができました。部屋の状況の聞き取りや家主への被害状況のアンケート調査から、入居できなくなった数件の物件があることを早い段階で把握し、学生の安全確保を第一に考え、家主とともにその対応にあたりました。

 毎年、家主の方から経済的な下宿・アパートの情報提供をいただきホームページ上で紹介しております。
新入学生下宿・アパート情報

●学生のメンタルケアをサポート

 大きな震災後は、被災者の心のケアが大切なことから、工学部ではクラス担任や助言教員、学生課、学生相談室、保健室などが協力して、学生が一人で悩みを抱えることなく、常に相談できる体制を整えています。学生相談室では、専門のカウンセラーが週4日、学生のさまざまな相談に応じています。
学生生活支援体制