建築業界の第一線で活躍するプロから学ぶ最先端の設計技術

 オープンキャンパス2017において、本学部建築学科の卒業生で、今年5月に開庁した須賀川市新庁舎の設計に携わった株式会社佐藤総合計画東北事務所の竹ヶ原雄氏(設計プロジェクトリーダー)と髙橋英雄氏(設計主任)をお招きし、須賀川新庁舎建設の詳細や最先端の設計技術についてレクチャーしていただきました。
 須賀川市旧庁舎は東日本大震災により全壊判定を受け解体されました。そのため、行政機能の再構築、防災拠点の整備とともに、須賀川市の復興シンボルとして新庁舎を整備することが求められました。設計チームは、「復興のシンボルとしての市庁舎『みんなの家』」を設計コンセプトに、耐久性や免震機能を重視し、環境にやさしく、柔軟性、利便性などに優れた安全・安心な庁舎を目指し、最先端技術であるBIMを駆使して、効率的な建設実施計画を提案しました。
 BIMとは、Building Information Modeling(ビルディング インフォメーション モデリング)の略称で、コンピューター上に作成した3次元の建物デジタルモデルです。建築設計、施工から維持管理までのあらゆる工程で必要とされる部材や機器の情報がデータベース化されており、これらの情報から工程管理やコスト計算、メンテナンス対策もできることから、建築の新しいワークフローとして注目を集めています。このBIMを使った設計により、振動解析や部材と機器の干渉などの確認作業を事前に全てシミュレーションして施工に反映させたという須賀川新庁舎。設計担当者である髙橋氏は、BIMによるアニメーションや設計図、平面図など使って、地下1階地上6階建ての新庁舎がどのようにして造られていったのかをわかりやすく説明されました。その他、自社で手掛けた東北6県の庁舎や病院等の建築物件の中から、数件について竹ヶ原氏より、ご紹介いただきました。学生たちの参考になればと、設計の進め方についてもご教授くださいました。建築業界の状況や設計の仕事がどういうものであるかを感じ取ることができ、高校生だけでなく、在学生にとっても大変貴重な機会となりました。
 「BIMは知っていましたが、実際にどう使われているのか設計者の方から直接聞くことができたので、大変参考になりました」、「須賀川にある身近な構造物がどのようにして建設されたのか、CGで見ることができて感動しました」、「社会で活躍されている先輩から話を聞けて、自分も刺激を受けました」、「公共施設の説明だったので、これから地域やまちづくりをテーマとした課題制作を進めるうえでも役立ちます」など、普段の授業では味わえない良い経験ができたようです。この場をお借りしまして、レクチャーいただきました竹ヶ原氏と髙橋氏に厚く御礼申し上げます。

 

 

卒業生からのメッセージ

 

大学時代に築いた仲間との絆は財産になる

竹ヶ原 雄 氏(株式会社佐藤総合計画 設計プロジェクトリーダー 一級建築士)

 仕事は決して楽なものではありません。クライアントの要望に応え、納期に追われ、辛いことの方が多いと思いますが、その分、建物が完成した時の喜びも大きくて、やりがいを感じます。それが、建築の魅力とも言えるでしょう。大学時代は軟式野球部に所属していましたが、学科を問わず大学時代に築いた仲間との絆は財産であり、仕事をする上でも大いに役立っています。今ある時間を有意義に使って、社会人になったらできない、いろいろな経験を積んでください。

 

枠に捉われず幅広く見聞を広げることが大切

髙橋 英雄 氏(株式会社佐藤総合計画 設計主任 一級建築士)

 楽しいことを提供するのが、設計の仕事です。だから、自分が楽しいと思えることをたくさん経験してください。また、大学という枠に捉われず、幅広く見聞を広げることが大切です。私も大学時代はいろいろな設計事務所で武者修行させていただきました。建築の仕事は九割五分が苦行と言われますが、できた建築物を利用した方から、「良かった」と言われることで、残りの五分が大きな喜びになります。皆さんが、建築業界で活躍されることを期待しています。