人と自然のサステナブルをめざす 『徳定川守り隊』いざ出動!!

2012%e5%be%b3%e5%ae%9a%e5%b7%9d%e6%b8%85%e6%8e%83%e6%98%a5image001“五月晴れ”とは、きっとこの日のような空のことをいうのだろう―

空を見上げると、1年ぶりに甦った「徳定川清掃」を、お天道様も心待ちにしていたと言わんばかりに、熱い日差しでエールを送っていました。

毎年春と秋の2回、土木工学科の水環境について学ぶ4つの研究室を中心に有志たちが行っている「徳定川清掃」も、今年で13年目。昨年春は震災の影響で見送られ、秋は雨に降られ清掃活動が途中で打ち切られるなど不完全燃焼のまま年越しとなっていました。

だからこそ、この天気を一番喜んでいたのは、6人のOBかもしれません。「my胴長持参で来ました!」とその意気込みは学生以上です。水域環境研究室の藤田豊先生の教え子で、大先輩である株式会社郡山測量設計社の佐藤治彦取締役部長(写真左)は3回目の参戦。「当社には工学部の卒業生が7人もいて、その後輩に誘われたのがきっかけで参加したんです。私たちの時代にはなかった。学生のうちに地域に貢献できる活動を体験できるのは良いことですよ」と話していました。「水環境システム研究室の長林久夫先生の講演会を聞いて、この活動に興味を持ちました」という須賀川市役所の井上直行(写真右)は今回初めての参加です。昨年退職された髙橋迪夫先生も元気いっぱいに、「私は雨男ですが、そのパワーが衰えたようで今日は晴れてよかったです。地域住民の方にもこの活動に興味を持ってもらえるよう、みんなで楽しくやりましょう!」と集まった35名の学生たちにそのあり余ったパワーを注入していました。
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2012%e5%be%b3%e5%ae%9a%e5%b7%9d%e6%b8%85%e6%8e%83%e6%98%a5image007陣頭指揮を執るのは、衛生工学研究室の佐藤洋一先生。気持ちの逸る学生たちを制するように、各チームに徳定川清掃のミッションを指示しました。

南側の田園地帯から住宅地を抜けて、工学部キャンパス内へと続く徳定川。その地域を学内1ブロックと学外2ブロックに分かれて清掃活動を行います。初めて着る胴長に悪戦苦闘しながらも、装着が完了す2012%e5%be%b3%e5%ae%9a%e5%b7%9d%e6%b8%85%e6%8e%83%e6%98%a5image008るやいなや「気分が高まりますね!」と戦闘モードに入った“徳定川守り隊”。さあ、いざ出動です!!

 

川に入ると、昨日の雨の影響で土砂が流れ込み、水は濁った状態でした。通常の澄んだ水なら、目視でそれがゴミだとわかりますが、これではゴミがどこにあるのかわかりません。そこで、足や手を使って異物らしきものを探り当てながらの作業となりました。胴長の重さと水の抵抗で、下半身はかなりの力を使います。それでも、「川の中は涼しくて気持ちいいですよ」と笑顔の胴長部隊。拾い上げたゴミを陸上のゴミ回収部隊に渡していきます。
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着々と進む清掃活動。と思いきや、胴長部隊の目の前に、何やら赤い物体が現れました。

「おおー!!! 鯉だあー!!!

掴みかかった両手をスルリとかわし、鯉は濁った水の中を潜水遊泳しながら姿を消していきました。

すると今度は、陸上から忍び寄る影を察知した学生の叫び声!

「ヘビがいるぞ!!!

それは、小さなシマヘビが草むらから側溝を渡ろうしている姿でした。

「ほら、ここにタニシがいますよ」と環境生態工学研究室の中野和典先生が教えてくれました。

 

ふと遠くを見つめる中野先生。その目の先には、虫取り網とカゴを持った子どもの姿がありました。この長閑な風景が未来につながっていくことを願う、中野先生の思いが伝わってくるようでした。

さて、清掃活動の成果はどうだったでしょうか―。

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「いあや、けっこうきれいになりましたよ!」 “徳定川守り隊”の顔は自信満々、達成感に満ちあふれていました。毎回、ゴミ回収に協力してくださる業者の方のトラックは、ゴミの山でいっぱいです。

2012%e5%be%b3%e5%ae%9a%e5%b7%9d%e6%b8%85%e6%8e%83%e6%98%a5image021酒瓶やタイヤなど、明らかに人間の手で投げ込まれたゴミもありました。「モラルやマナーの低下が、川を汚してしまっているんだ―」と少し顔を曇らせながら、自分たちが使う川の水を自ら人間が汚している現実に心を痛める学生もいました。

「社会の基盤を創る土木は、生活に密着しているからやりがいがあります。川をきれいにする活動も同じです」と改めて徳定川清掃の意義を感じ取った学生たち。須賀川市役所の井上氏2012%e5%be%b3%e5%ae%9a%e5%b7%9d%e6%b8%85%e6%8e%83%e6%98%a5image020は「学外から、ゴミが流れてきていることがわかりました。上流に住む市民の方にも、こうした活動に参加していただけると良いですね」と話していました。

清々しい汗を流したあとは、これも恒例の懇親会。先生・OB・学生の枠を取り払って、大いに盛り上がりました。みんなが親睦を深めていく風景を眺めながら、「30年前と変わらないですね」と古き良き時代の“家族大学”の姿が、まだここに残っていることを感慨深げに語る大先輩の佐藤氏。髙橋2012%e5%be%b3%e5%ae%9a%e5%b7%9d%e6%b8%85%e6%8e%83%e6%98%a5image022先生も「研究室の枠を越えて、学生たちが交流できる場にもなっている。学科全体はもちろん、他学科や地域へも広げていきたいですね」と話していました。

「福島弁で“差し支えない”を“さすけねぇ”というんですよ。“サステナブル”ならぬ“サスケネェブル”。いいでしょ」と陽気な佐藤先生。学生たちの明るい笑い声も絶えることなく、懇親会は陽が暮れるまで続くのでした。

人と人とのサステナブル。川の水もサステナブル。人も自然も未来につながっていくように、私たちは徳定川清掃を通して、さまざまなことを学び、そして地域に貢献していきたいと思っています。

秋にも実施いたしますので、学内・学外問わず、多くの方のご参加をお待ちしています。

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